あれから幼稚園を卒業して



小学校に入学






あたしたちは同じクラスになった











「シ〜ロちゃんっv」



「シロちゃん言うな」



「ねぇねぇ帰ろうよ、みんな待ってるよ」



「俺上級生と一緒に帰るのやだ」



「えー…でもみんなと一緒に帰れって先生たち言ってたじゃん…」



「いいよ別に…もうちょっとしたら帰ろうぜ」



「んー……う、ん分かったぁ…」









まだ下級生のあたしたちだけで帰るのは危ないと



先生や両親たちから言われていた







知らない人には付いて行っちゃダメ



1人で帰らない






こんなことを言われるのは当り前



それなのにシロちゃんは上級生と一緒に帰るのはいやだと言ってきた






家は近くで毎朝一緒に学校に行ってるし



一緒に帰ってるあたしたちだった





2人で帰ることは滅多にないことだったから嬉しかった


けど、



ちょっと複雑だった


















それから数分が経ってあたしたちは学校を出た








「あんまり帰ってる人少ないね…」



「そだな」



「あ、シロちゃんのこのキーホルダーいいな」



「ん、あぁならお前にやる」



「え゛っ!…あ、じゃー…これと交換ね!」






シロちゃんが黒いランドセルに付けていたのはサッカーボールのキーホルダー



とくに普通のキーホルダーだったけど




なんだか目に止まった





それをあたしは小さなウサギの人形と交換






こんな感じでいつもいつも突発的なことを言うシロちゃんに


あたしはいつも対応に困った






今もこうやって先生の言われたように行動できてないのも



シロちゃんの上級生と帰りたくない、という一言の所為なのだ








「ねぇシロちゃん!今度からはちゃんとみんなと帰ろう!先生に怒られるよ!」



「大丈夫だよ、」



「ダメだって!怖い人とかに会ったらどうするの!?危ないってお母さんたちも言ってたじゃん!」



「そん時は俺がどうにかする!」



「……どうにかって…どう?」



「俺がお前を護ってやる!」




「………な、何言ってんのシロちゃん!//////」



「あ?何だよ…?」



「そ、そういうことは…………何でもない///」



「?」







ホントは嬉しい




でも嬉しさと比例するくらい







恥ずかしかった





この小さい手は君をるためにある