もう、本当に駄目なのかな
もう、冬獅郎は私の手を握ってはくれないのかな
もう、抱きしめては、くれないのかな
twice
久しぶりの学校は、とても大きく見えた
学校の前まで来たのはいいものの、校門をくぐれない
あの時が、思い出され足が震える
今、自分の机はどうなっているんだろうか
もしかしたら、ないかもしれない
もしなくても、もう、冬獅郎は助けてくれない
怖い
「おい、・・・?」
が俯きながらそう思っていると、後ろから懐かしい声が聞こえた
「・・・・恋次、先輩」
声の持ち主は、恋次
恋次はの反応がおかしいことに気付くと、
近付いてきて顔を覗き込んだ
「どうかしたのか?」
「ぁ、ぃや、なんでもないです・・・」
「そういや、この頃学校休んでただろ」
「ぇっ」
はビクリと身体を震わせる
どうしよう、
恋次先輩にはばれたくない
もうこれ以上、迷惑を掛けたくない
「風邪でも、引いてたのか?」
「は、はい、そんな感じです」
はぎこちない笑みを見せ、恋次と別れようと言葉を続けた
「じゃあ私行きますんで、失礼しま・・・っ」
「・・・?」
はその場で硬直した
「・・・・・・・・とぅしろ・・・」
は小さな、消えそうな声で呟く
の見る先には、冬獅郎
と、桃
「・・・・・・っ」
は泣きそうになりながらも、ぐっと堪えた
「日番谷と・・・雛森だよな?あの隣にいるの・・・」
恋次はの異変に気付くと、同じ方に向き、そう言った
「なんであの二人が一緒に登校してんだ・・・?日番谷は・・・っておい!;」
「・・・・ぅっ・・・ゃぁっ」
恋次がふとの方を向くと、は我慢しきれずその場にしゃがみ込んでいた
冬獅郎がいる
桃ちゃんと一緒に
突きつけられる、現実
私は、そんなの嫌なのに
認めたくないのに
「なんで・・・っとうしろ・・・っ」
「おいしっかりしろよ、どうしたんだよ!」
「ゃだよっ・・・、私別れたくない・・・っ!」
「ちっ・・・、おい、保健室行くぞ」
恋次はしゃがみ込んでいるを軽々と担ぎ上げた
「と・・・しろぅ・・・」
「保健室行ったら話し聞くからな」
が両手で顔を覆いながら何度も呟いている中、
恋次は宥めるようにそういうと、ほんの少し冬獅郎の方を見てから保健室に向かった
---END---
恋次くん再び登場ーぅ!