私と恋次が付き合って、丁度一ヶ月が経とうとしていた
恋次は優しくて、頼りになって
私は幸せで、
それなのに、
未だに私の心の中に居座る冬獅郎
どんなに時が経っても、薄れる事はないのだろうか
Time passes,and it changes.
「れーんーじッ!帰ろー!」
「おま、廊下で騒ぐのやめろよなー。うるせぇよ;」
「だって今日見たいドラマの再放送やるんだもん!早く帰りたいの!」
3:20、私は帰るために恋次の教室に行った
恋次は恥ずかしがりながらも私の目の前までくると頭を撫でてくれて
それから包み込むように大きな手で、私の手を握ってくれる
「じゃ、帰ろうぜ」
「うん!今日恋次家に来る?一緒にドラマ見る?」
「あー今日は無理。俺今日予備校なんだよ」
「あ、そっか。忘れてた!」
そんな事を話しながら二人で昇降口を目指す
肩を並べながら歩く事も、手を繋いで歩く事も最初は慣れなかったけれど
今は落ち着くし、大好きになっている
「ねー、日番谷くん!今日図書館寄って行こうよ!」
「あ?あぁいいぜ」
でも、まだ、
私は冬獅郎のことが好きで、
忘れられなくて、
心の奥底に感情は閉まっているけれど、
出来るものならば、触って、抱きしめたい
そんな事を思っていたら、ちょっと泣きそうになって、
隠すために私は俯いた
それとほぼ同時に、桃ちゃんと冬獅郎と擦れ違う
冬獅郎は、もう目も合わせてくれない
もう慣れたけど、やっぱり淋しい
その姿を心配そうに、桃ちゃんが見ている
私から、冬獅郎を奪ったくせに
本当は笑っているんでしょう?
作戦通りだ、って、思っているんでしょう?
私は冬獅郎と別れたあの日から、桃ちゃんとも話していない
桃ちゃんは何度も私に話しかけようとしていたけれど、
全て私が拒絶した
嘘の同情なんていらない
嘘を吐いて、心の中で笑っているくせに
「恋次」
「ん?どうした?」
私と恋次は昇降口に着き、靴を取り履く
私は履き終わると、恋次のYシャツの裾を掴んだ
「大好きだから・・・。私を、裏切らないでね・・・?」
「どうしたんだよ急に・・・、そんなの当たり前だろ」
恋次は困ったように笑うと、
もう一度私の頭を優しく撫でた
---END---
そろそろ、ちゃんと話を進めていこうかな・・・!