久し振りに見る冬獅郎の部屋
私は部屋に入ってベッドの上に腰を下ろした
景色も匂いも雰囲気も、全てが愛しくて涙が出そうになった
In a small room.
ガチャリと、下の階でドアが開く音がした
ただいま、と冬獅郎の声がした
一気に心拍数が速くなる
「冬獅郎、部屋でちゃんが待ってるわよ」
「あ?何言ってんだよ・・・そんなわけ・・」
「ほら靴あるでしょ?来たのはちょっと前だから、早く行って・・「っ!?」
「ちょっと冬獅郎!?;」
トントントン、と、早いのにもかかわらず軽い音を立てながら階段を上る音
「・・・っ!?」
その音の少し後に、
焦ったような吃驚したような顔をしている冬獅郎が部屋のドアを開けた
「ひさしぶり」
私はそう一言言って冬獅郎に微笑んだ
驚いた冬獅郎の顔は変わらないまま。
「な、んで・・・此処に・・・」
「桃ちゃんから全部聞いたの、いままでのこと全部」
「・・・・・・」
「冬獅郎、守ってくれようとするのは嬉しいよ。
でも、私のために冬獅郎が傷付くのは嫌。一人で解決しようとなんてしないでよ」
そんなに頼れなかった?
と、私は冬獅郎を見つめた
「違・・・そんなんじゃねぇよ」
「じゃあもう一人で頑張らないで。私を置いていかないで」
そう言って私は立ち上がり冬獅郎に抱きついた
ほんのり香るシャンプーの匂いが懐かしい
「私、ずっとずっと、冬獅郎にフラれてからも好きだった」
「・・・」
「本当にショックで、もうどうしていいかわかんなくて・・・っ」
「、ごめん・・・」
自然と溢れ出す涙、落ちるたびに冬獅郎の服に染みができた
「冬獅郎、・・・・キス、して?」
私はそういって少し冬獅郎から離れ目を閉じた
冬獅郎の両手が私の両肩を掴むと、冬獅郎が少し震えているのが分かった
「、・・・・今まで悲しい思いさせてごめん。もう、お前のこと絶対に離さないから」
ちゅ、
と冬獅郎は私の唇に口付けた
同時に私の首筋辺りにポタリと水が落ちた
それは冬獅郎の涙で、
冬獅郎は私に口付けをしたまま
強く強く私を抱き締めた
久しぶりのキスは、
涙のせいで少し酸っぱく
でも、
蕩けてしまう程甘かった
---END---
次回からどうしようかな〜ふんふんふ〜ん( ω )