今日も思い足取りで家に帰る


もう一人で帰るのはだいぶ慣れた








でもやっぱり隣にがいないのが寂しくて

俺はゆっくりと気付かれないように溜め息を吐いた





























It is not a dream.






























ガチャリと重たい家のドアを開ける。

玄関に入ると奥の部屋から母親がやってきた







「冬獅郎、部屋で獅馨哉ちゃんが待ってるわよ」



「あ?何言ってんだよ・・・そんなわけ・・」






出迎えにきたのかと思ったらそんな事を言ってくる

俺はそれにまた溜め息を吐いて重たい鞄を床に置いた




でも、次の母親の一言で、俺は最後まで話を聞かずに二階に上がる







「ほら靴あるでしょ?来たのはちょっと前だから、早く行って・・「っ!?」


「ちょっと冬獅郎!?;」











なんで入った時に気付かなかったのだろう


の靴なんてわかるくらいずっと一緒にいたのに






俺は階段を上がると自分の部屋に直行した



































なんでが、


なんで俺の所なんかに、



なんでなんで、






色々な疑問が浮かぶ、でも今も俺に出せる結論は


一秒でも早く会いたい


しかなかった。


































・・・っ!?」







俺が部屋のドアを開けると、そこには本当にがいた


ベッドの上に座っていたは俺を見ると微笑む










「ひさしぶり」











そう言ったに俺はちゃんとした返答を返す事は出来なかった


口から出た言葉は、ドアを開ける前に浮かんだ疑問








「な、んで・・・此処に・・・」


「桃ちゃんから全部聞いたの、いままでのこと全部」


「・・・・・・」


「冬獅郎、守ってくれようとするのは嬉しいよ。

でも、私のために冬獅郎が傷付くのは嫌。一人で解決しようとなんてしないでよ」








そんなに頼れなかった?


と、は寂しそうにいった。


















ああ、俺はそういう面でもの事をずっと傷付けてきたんだ

良かれと思ってやってきたことは、を悲しませるだけだった













「違・・・そんなんじゃねぇよ」


「じゃあもう一人で頑張らないで。私を置いていかないで」










そう言っては俺に抱きついてきた



久し振りに感じる柔らかい感触、ほんのり甘い匂い

全身に、愛しいという気持ちが伝わった
















「私、ずっとずっと、冬獅郎にフラれてからも好きだった」


・・・」


「本当にショックで、もうどうしていいかわかんなくて・・・っ」


、ごめん・・・」









一言口にする度にの声は震えを帯びていった

















「冬獅郎、・・・・キス、して?」


















そういって俺から少し離れは目を閉じた

そんなの肩に俺はゆっくりと両手を置く






今まで我慢していた想いが爆発して、泣きそうになった



















、・・・・今まで悲しい思いさせてごめん。もう、お前のこと絶対に離さないから」


















ちゅ、




















俺はゆっくりとに口付ける

それと同時に俺の目から一粒の涙が零れ落ちた











愛しくて愛しくて、何度別れた事を後悔しただろう


もう絶対離さないということを身体で表すかのように俺はを強く強く抱き締めた























久しぶりのキスは、

涙のせいで少し酸っぱく


でも、


蕩けてしまう程甘かった






















---END---


冬獅郎視点です。
べ、べつにネタが思い浮かばなかったとかじゃないですから!!!←