教室から出て
私は兎に角走った
一人の人にぶつかってしまった
でも、私は必死だったから
謝るのを忘れてしまった
I've set my heart on doing it, whatever you may say.
「はっ・・・ぁ・・・」
はいつの間にか立ち入り禁止の屋上へ来ていた
なんで、あんな事言っちゃったんだろう
冬獅郎は、何も悪くないのに
もうクラスに帰り辛いよ
はその場にしゃがみ込み
自然と流れてきた涙を服で拭った
「ぅうっ・・・」
とっても、辛かった
冬獅郎は悪くないけど
でも、とっても腹が立った
無意識に言ったかもしれないけど
私には辛すぎる言葉だった
が肩を震わせ泣いていると
閉めておいたドアが開いた
「ぁ・・・」
「やっぱりだったのか;」
「恋、次・・・先輩」
「おう、どうしたよ」
ドアを開けたのはの先輩、阿散井恋次だった
「なんで・・・?」
なんで此処に恋次先輩が?
「なんで此処にお前がいるか分かったかか?」
恋次がそう聞くとは頷き
少し困ったように後頭部を掻いた
「さっき俺にぶつかっただろ?」
「ぇ!?あれ恋次先輩だったんですか!?」
そう言えば、髪の毛が赤だったかもしれない;
は慌てて涙を拭い深々と頭を下げた
「ぶつかって、尚且つ謝らなくってごめんなさいッ!;;」
「は?ぁ、あぁ;別にそんな事気にしてねぇよ」
俺は只お前が泣きそうな顔してた気がしたから追って来たんだよ;
恋次はそう言うと、の正面に胡坐を掻いて座り
そっとの頭を撫でた
「で、何があったんだ?」
「・・・」
「言いにくい事か・・・?」
「・・・私、好きな人に・・・恋愛対象外だって言われたんです」
こんな事、恋次先輩に言ったって、どうにもならないけど
笑われるかもしれないけど
少しでも気持ちが軽くなるために話そう
「・・・誰だよ、そんなひでぇ事言う奴は」
「れ、恋次先輩?」
「最低だな」
恋次はの予想とは違い
真面目な顔をしてそう言った
「ゎ、笑わないんですか?」
そんなもん気にすんなよ、とか言うと思ってた
「ん?なんで笑わなきゃいけねぇんだよ;笑う訳ねぇだろ」
そんな事言われたら、誰だって傷付くし
それに、可愛い俺の後輩が真剣に話してんだからな
恋次はニッと笑い、今度は乱暴にの頭を撫でた
それとほぼ同時に、授業の始まる合図のチャイムが鳴った
「ぁ、チャイム・・・」
「おっし、まだなんか話したい事あんだろ?」
「恋次先輩戻らなくていいんですか?」
まだまだ話す気の恋次には聞いた
「今日はの相談相手になってやるよ」
だから溜めてる事全部話せ
「でも・・・」
「いーんだよ、次の授業丁度だるいのだったし」
「本当ですか?」
「あぁ、そーだ;それにな、俺がお前の話聞きてぇの」
「ぇ・・・?」
「あ・・・;//」
恋次は慌てて右手で自分の口を押さえる
しかし既にその行動は遅く、見る見るうちに頬が赤くなった
「それって・・・」
「ぁ、あのな;その////」
俺は何言ってんだ・・・;、と恋次は深い溜め息を吐くと
一つ深呼吸をしての両肩を掴んだ
「;;!?」
「今こんな事言うのはよくねぇーと思うんだけどよ・・・//」
俺、お前の事好きなんだよ////
「恋次先輩が・・・?私の事・・・?」
は恋次の言っている事が良く分からず
じっと恋次を見つめる
「おまっ;そんな見つめんな//」
「ぅわ//」
恋次はの視線に耐え切れず
恥ずかしくなり手での両目を隠した
「・・・で?」
「なんですか?」
「返事くれよ」
暫くして、恋次は落ち着きを取り戻すとの目から手を離す
「ぁ、そっか;・・・・ぇっと、ですね・・・」
どうしようか
このまま恋次先輩と付き合ってしまえば
冬獅郎に対するこの気持ち
忘れられるだろうか
「まだその、お前に酷い事言った奴の事が忘れられねぇか?」
「え;」
「俺は別にそれでも平気だぜ?」
すぐそんなの忘れさせてやるよ
恋次はそう言っての頬に触れるだけのキスをした
「!?//」
「だから付き合って、下さい//」
恋次先輩なら、本当に出来るかもしれない
元々私は恋次先輩の事嫌いではないし
寧ろ、部活の先輩で色々教えてくれて感謝してる
それにかっこいいし、面倒見もいいし
冬獅郎の事、忘れさせてくれるかもしれない
「・・・はぃ//」
が小さい声でそう呟くと
恋次は嬉しそうにに抱きついた
---END---
I've set my heart on doing it, whatever you may say.
意味:何と言われようと僕の気持ちは決まっているのです
今回のサブタイトルは意味が深いのです!((笑
てか冬獅郎出てなくてごめんなさい。
あ、次から『幼馴染の男の子』は『年上の男の子』とタイトルを変えて
相手を恋次くんにして連載します!!((嘘です!