中学入学
桃色の桜が少し散っていた時期に
新しい制服に身を包んだあたしたち
新しいものが周りに溢れた
新しい友達も増えた
でも前のように冬獅郎と一緒に帰ったりすることはなくなった
小学校の時バスケ部に所属していたからか
中学でもバスケ部に入部した冬獅郎
帰りの遅くなるため、一緒に帰ることができなくなった
あたしも小学校の時に女子バスケ部に入っていたけど
中学校になると何部にも入らず
帰宅部
1人で帰ることが多くなった
朝一緒に来ることはあっても
帰ることはなく
その分教室で話すことが多くなった
「ちょ、聞いて聞いて!」
「なんだよ、」
「なんとね!隣のクラスの桃ちゃん!そのまた隣のクラスのイヅルくんと、付き合うことになったらしいよ!」
「………桃って誰だよ」
「知らないの!?隣のクラスに可愛い子いるじゃん!その子!」
「知らん」
次の授業の準備をしながら
日番谷はの話に耳だけ傾けた
「これからカップル増えんのかなー」
頬杖つくは遠い目だった
「……」
「ん?どしたの?」
「お前も……好きな人とかいんの?」
「え……そりゃあー…ま、あね」
「ふぅーん…」
冬獅郎だよ、
って言ったらどんな反応をするんだろう
この時のあたしは冬獅郎の少し不安そうな表情をしていたことに
気づいてなかった
春が来ればいいなと思った