「冬獅郎朝だぞー起〜き〜ろ〜〜〜っ!!」












「・・・・・朝からうるせぇんだよ、バカ」




「何言ってんの!冬獅郎低血圧でおばさん起こせなくて困ってるんだからね!」




「だからって毎日窓から入ってくんな・・・寒い」




「文句言うなっつーの!いいから起きなよ!遅刻するよ!」

























これが私達の一日のスタートの仕方。


私達は幼馴染で、家が隣で部屋も隣。(窓から行き来できるほど近いの)






















私が掛け布団を引っぺがすと、冬獅郎は恨めしそうに睨んできた
























































***************
























































「眠ぃ・・・・・」




「冬獅郎昨日夜更かししてゲームやってたでしょ。だからだよ」













それから数分後、私達はお互い準備を済ませて家を後にする。


早く出た方がまだな方の家の前で待つのはもう何年も前からの習慣。






















「ゲームだけじゃねぇよ。今日数学の宿題あんだろ」




「えっ!そんなの知らない!」




「お前また授業中寝てたろ・・・」




「ちょ、マジで!?市丸先生怖いじゃん!やべーっ!!!」
























肩を並べながら歩いて、何げない会話を交わす


いつまでこういう関係が続くかはわからないけど、


できるなら一生これが続く事を、私は願ってる・・・ってのは冬獅郎にはまだ秘密。


















私は急いで鞄を開け、数学の教科書を取り出しペラペラとページを捲った





























「あー、こっからここまで」



「超長いじゃん!絶対終わらないよコレ!!」



「数学一時間目だしな」



「最悪!冬獅郎ちゃんと教えてよ!」



「人のせいにすんな」





















宿題の範囲は5ページくらいあって、私は大きな溜め息を吐いた


市丸先生も一日にこんな量の宿題を出すなんて鬼だ

















































「あ」





「あ?」




















































ふと鞄の中を見ると、昨日なんとなく作ったものが入っている事に気付く


冬獅郎もそれに気付くと鞄の中を覗きこんできた






























「糸電話・・・?」




「うん、昨日暇だったから作ってみたの」




「んな暇あんなら勉強しろ」




「うるさいなー!・・・・あ、イイ事考えたよ冬獅郎!」




「絶対俺にとってはいい事じゃねえ」





















糸電話を取り出してニヤリとニヤついた私に冬獅郎は呆れた表情を見せる


私はそんなことはお構いナシに上機嫌で教科書と糸電話を鞄の中にしまった
























































****************




























































「お前等・・・邪魔なんだけど」




「檜佐木、俺のせいじゃないのせいだ」




「えーテストテストー聞こえますか冬獅郎くーん?」




「お前その声量なら普通に喋れよ!」




「修兵うるさい!私達は真剣なの!!」























教室に着くと早々私は準備を始めた。



私と冬獅郎の席は横の列は同じだけど隣ではなく一人を挟んだ所で、



挟まれているのは修兵

























「お前等来て早々イチャイチャしてんじゃねーよな」



「別にイチャイチャなんかしてねぇよ、変わってやろーか?」



「駄目だよ冬獅郎!修兵馬鹿だから!」



「お前に言われたくねぇよ」




















修兵はそういうとつまらなそうに頬杖をしながら糸電話を眺めた

























「おーし準備完了!修兵糸切っちゃ駄目だからね!」



「お前等もしかしてコレ使って授業中・・・」



「だからお前等って言うなよ、の単独行動だから」

















私は椅子に座り鞄の中の物を机の中に入れ替えた


それとほぼ同時に担任が入ってきてHRが簡単に行われる





















































「そういえばお前今日市丸の授業当たるよな」



「えっ嘘!じゃあ尚更この糸電話役に立つじゃん!」



「はぁ?」






















HRの最中、修兵と小声でそう会話を交わす


修兵はつい大きい声を出し先生に注意を受けていた









それから数分後HRは終わりいよいよ数学の授業まであと10分





































「冬獅郎、ちゃんと耳準備しといてね!」



「どう耳準備すんだバカ」



「耳掻きしとくとか?」







「・・・・・・」








「え、ちょっと無視しないでよ!」





















冬獅郎は一瞬とても冷たい目をするとロッカーに教材を取りに行ってしまった


私は小さく溜め息を吐いてから机の上に数学の教材を出し、授業の準備を整えた

















































「そろそろ席着きー」















































冬獅郎がロッカーから戻ってくると、それと一緒に市丸先生も入ってきた


それと同時にチャイムが鳴り響く










































「それじゃ、まずは昨日出した宿題の回答からなー、えーっと問1は・・・」


















市丸先生はそういって名簿に目を移した




私はそっと糸電話の紙コップを持ち口に近づける


そんな私を見た冬獅郎もそっと紙コップを持ち左耳にあてた




















『私、当たるかな?』




『さぁな、ここならまだできんだろ』




『うん、心配なのは問3かな。てかてか、今日放課後本屋行こうよ今日発売日なの!』




『あー別にいいぜ、今日WZ買おうと思ってたし』




「じゃあそれから冬獅郎の家ね!この前のゲームやる!」




















、問1から全部回答言ってってみ?」




「え゛ぇっ!?」





























私は吃驚して勢い良く立ち上がってしまった


紙コップを口元あたりに持ってたせいか糸が引っ張られ冬獅郎の机が音を出して動いた













「ばっか、何立ち上がってんだよ!;」




「ぇ、えっと・・・!」




「なんや日番谷くんも一緒にやっとったん?」




「ぁ、いや、これは・・・・」





「二人ともあとで職員室な」









市丸はニッコリと笑って私達にそう言った



少し横を向けば、冬獅郎が私を睨んでるのがわかる



それから修兵が糸電話の糸を触って何かしてる




私は小さく溜め息を吐いてから教科書を持った













































「わかりません」













































白い糸EQUAL赤い糸
(なめてるん?)
(いえ、けしてそういうわけでは・・・!!;)
(なー見てみろよ、糸電話の糸赤く塗ってみ……)
(檜佐木もあとで職員室な?(ニッコリ))




WZ=ジャ●プみたいなものですよ!笑