今年も春が来た。
Entrance ceremony
4月6日、今日は中学の入学式。
「冬獅郎とクラス離れちゃったなー…」
式が終わって、下校の時間、
冬獅郎がなかなか迎えに来ないから、私は冬獅郎のいるG組に迎えに行った。
それにしてもこんな遅くまで何してるんだろう?
その答えは、すぐに出た。
「あの…えっと…」
そっと教室のドアから覗くと、
そこには冬獅郎と小学校の頃のクラスメート。
おそらく、告白。
こういうのを見るのははじめてなので、
気になって少し覗いてしまう。
「小学校の頃からずっと…すきです…」
チクリ
胸に刺さった棘。
私…
その感情の正体が分かったとき、
私はほぼ無意識に走り出した。
□■□■□
…うぜぇ。
どうして女はこんなに面倒くさいんだ。
しつこいし、
フったら泣くし。
唯一ウザくないのなんてアイツくらいのもんだ。
そういえばアイツ、まだ待っててくれてるかな。
俺がドアに視線だけ向けると、
ドアの陰から覗いているアイツを見つけた。
暫く覗いていたようだが、アイツはふいに走り去った。
「おい!」
俺は思わず後を追って走り出していた。
アイツがあまりにも辛そうな顔をしていたから。
□■□■□
最悪だ
サイアクだ
私…
「待てよ!」
私は腕を掴まれて立ち止まった。
見なくたって分かる、冬獅郎だ。
どうして…
「‥お前泣いてるのか?」
心配そうな声。
でも…
「ほっといて…」
「?」
本人を前にして、感情が抑えきれなくなっちゃったみたいで
「どうして心配してくれるの!私なんて‥彼女でもないのに…嫉妬して…最悪…」
気付いたら考えていたことを全部冬獅郎にぶつけていた。
冬獅郎は困惑したような表情を浮かべた。
が、すぐに口を開いた。
「俺ものこと好きだぜ。」
…WHAT?
俺も?
私は頭が真っ白になった。
それこそ自己嫌悪の念を忘れさせるくらいに。
…そういえば私、さっき無意識に告白してた?
そこに考えが及ぶと同時に、私は耳まで赤く染めあげた。
それを見た冬獅郎が悪戯っ子のように笑う。
「で、誰が最悪だって?」
「…もう。」
私は頬を膨らませて、冬獅郎の首に腕をまわす。
もう大丈夫。
汚い気持ちは、冬獅郎が消してくれた。
ふいに冬獅郎が私を抱く腕に力を込めた。
「誰にも渡さねぇ。」
風が吹いて
校庭の桜の花弁が舞った。
(Entrance ceremony / 幼馴染が恋人に変わる日)
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なんか冬獅郎キャラ違う!
偽物がいる!
獅馨哉さま、大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
こんなものでよければ貰ってやって下さい。
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ありがとーございまっす!
春って素晴らしい・・・!青春・・・!笑
南野さまありがとうございました!