人はいつどこで何があるかわからない。

そう、それは恋だって同じ。














「誰かいい人いないかなぁー」

「どうしたのちゃんたら急に」

、アンタ最近飢え過ぎ。みっともないわよ」



何の変哲もない女子高生の昼休み。

私はおやつのポッキーをカリカリと噛み砕きながら船漕ぎをする。



「・・・もしかして私モテない?だから彼氏の一人もできないの?!」



ぽつりとそう呟くと、向かいに座っていた桃と乱菊は呆れた顔をする。



「そんなことないよちゃん」

「そうよ、ただアンタが焦ってるだけ。」

「だってだって!桃も乱菊もいるからそういうこと言えるんだよ!」



桃には凄く頭が良くて優しいイヅルくん、

乱菊には雑誌モデルをやってる修兵くんがいる。



「そんな素敵な彼氏がいる2人に言われても、説得力がないっつーの」



私は溜め息を吐いて、もう1本ポッキーに手を伸ばす。

それを咥えたとほぼ同時に、視界の端の方に白髪の男の子が映った。



「それ言ったら私達は何も言えないでしょーが」

「まずさー、男の子との関わりがないんだよね私はさー」

「おい雛森、古典辞書貸してくんね?」

「あ、日番谷くん!いいよ、ちょっと待っててね」



私がぶつぶつと乱菊に愚痴を言い始めていると、

さっき端の方にいた白髪の男の子はどうやら桃の知り合いだったみたいで、いつの間にか近くまで来ていた。

そしてその男の子は桃がロッカーに行ってしまうと、暇なのか周りをキョロキョロし始める。





ふわふわした柔らかそうな白い髪

それと対照的な鋭い翡翠色の瞳

こういう人をイケメンって言うんだろうなー





「何見てんだよ」

「えっ」



急に声をかけられ我に返ると、見入ってしまった男の子は眉を顰めていた。



「え、いや、その、ご、ごめん!」

「別にいいけど。口半開きだったぜ」

「えっ!」

「嘘」



私が慌てて口を押さえると、男の子はニヤッと笑みを浮かべた。




え、なんか・・・、なにこの気持ち!

なんか私今凄くドキドキしてるんだけど・・・!!





「はい、日番谷くん」

「お、助かったぜ。あとで返しにくるな」



私が少しパニくっていると、桃がロッカーから戻ってきて辞書を男の子に渡した。

それを受け取った男の子は、私の方を向いて「じゃあな」とだけ言って教室から出て行った。




















MK5!!
(マジで)
(恋する)
(5秒前!!)

(いや多分これはもう春到来!!)
(ちょ、どうしたの鼻血出てるわよ?!)