もう一度、あの時言った言葉を

























again

























あれは、まだ私と冬獅郎が幼かった時の出来事










ちゃん」



「なぁーにシロちゃん」





が一人絵を描いていると冬獅郎が近付いてきた





「何してんの?」



「んーっとねぇ!将来の私を描いてるの!!」






はそう言って冬獅郎に自分の描いていた絵を見せた





「へぇーこれちゃん?」





冬獅郎は女の子の絵を指さした





「うん、そうだよ!私はね“結婚”するのが将来の夢なの」



「じゃあ、このちゃんの隣にいるのは誰?」





の描いた絵には自分と他に男の人と一人の子供が描かれていた





「んーそれはまだ分かんなぁーい、でもこれは私の旦那さんだよw」





はニコォと笑った





「じゃあ・・・」





冬獅郎はの耳元に顔を近づける










“そこは俺が入っていい?”










「ぇ・・・?じゃあ、シロちゃんが私の旦那さんになってくれるの?」





は少し頬を紅く染めながら冬獅郎を見上げる





「うん、俺がちゃんの旦那さんになる」




















そう言って冬獅郎は私の額にキスをした





































それなのに・・・・


今はと言うと――――――・・・・










、さっさと仕事しやがれ」





何ボーっとしてんだ





冬獅郎は溜まっている書類の隙間から顔を出した










ものすごく生意気になっている










あの時は「ちゃん」なんて言って可愛かったのに・・・勿論私も小さかったけど


冬獅郎はあの時言った事、覚えてるんだろうか





「彼女にまで口悪いよねぇー冬獅郎は」





特別扱いしてくれないの?





は肘を付きながら言った





「何言ってんだ」





冬獅郎は そんなもんしねぇよ、と言うと再び書類に目を落とした





私と冬獅郎は付き合っている・・・一応


この頃はお互い仕事が忙しくてなかなか出掛けたりできないけど


私は冬獅郎の事が好き


冬獅郎は・・・?


冬獅郎は私の事好き?





「ねぇー冬獅郎」





は仕事に集中している冬獅郎に声をかけた





「あ?なんだ?」





冬獅郎は書類から視線をに移した




















「私の事好き?」




















「は?な、なんだよ急に・・・//」





冬獅郎は驚いたように目を大きくした後、眉間に皺を寄せた





なんかあったのか?


なんかあったなら言ってみろよ





「・・・不安なの」





この頃一緒にいる時間少ないから


冬獅郎が私の事忘れてないか





がそう言うと冬獅郎は溜息を吐き





「忘れてなんかねぇよ」





だから安心しろ、と言い、立ち上がりの座っているソファの隣に腰を下ろした





「じゃあ、前言った事、もう一回言ってくれる?」



「??」





小さい頃、私が将来の絵描いてる時に冬獅郎が言ってくれた言葉





「ぁーあの時のか・・・分かった」





冬獅郎は頷くとの耳元に顔を近づけた





冬獅郎あの時の事覚えてたんだ


よかった

























“そこは絶対俺が入るからな、誰も入れんじゃねぇぞ”

























「ぇ・・・」





前と言葉違うよ・・・?





「なんで疑問系にしなきゃいけねぇんだよ」





もうそこに俺が入るの決定してんだろ?


だから聞いたんじゃなくて、注意したんだよ





冬獅郎はそう言うとの唇に触れるだけのキスをした





































「・・・俺がの旦那さんだ」





































これは誰にも譲らねぇからな





冬獅郎はそう言うと恥ずかしくなったのかそっぽを向いた





「ぅん・・・好きだよ冬獅郎」



「俺もだ」




















今も昔も気持ちは一緒





唯一違うのは声だけで










まだ冬獅郎の低くなった声が私の耳に残っている




















---END---

冬獅郎にこんな事言われたい。