ビルが見える教室で、
ふたり机並べて、同じ月日を過ごしてた
机の上には、英語の教科書と、おやつのビスケット
私はここで、あなたと出会い、恋を覚えた
会いたい
高校を卒業しても、あなたは私を子ども扱いした
「おい、遠くへ行くんじゃねぇよ」
「なにその言い方ーっ、何時までも子ども扱いしたいでよねー、今日で高校も卒業したんだし」
私が頬を膨らましながらそう言うと、
あなたは半分笑って、半分真顔で私の事を抱き寄せた
「心配なんだから仕方ねぇだろ?」
「・・・ぅん・・・、ありがと////」
とっても、幸せだった
でも、
それはすぐに壊れてしまった
「冬獅郎っ!!!」
もう病室に着いた時は遅かった
低い雲を広げた、冬の夜
あなたは夢のように死んでしまった
死因は交通事故
予備校の帰りだったらしい
飲酒運転の車が、冬獅郎に突っ込んできた
私は頭の中が真っ白になって、その場に崩れて泣き叫んだ
それから数ヶ月後、まだ肌寒い気温の中、私は一人海へ行った
まだ私の心は癒えていなくて、波打ち際を歩きながら
怒りと、悲しみが沸いてくる
でも、もうどうしたいのかわからなくて、
怒ったように眉を顰めたりはしないし、涙も流さない
ただ浜辺を歩き続けた
「ねえ、キミ今一人?」
ふいに後ろから声をかけられた
振り返ると、髪の毛は茶髪で、肌の黒い、
いかにもナンパをしそうな男
「俺今友達と来てんだけどさー、良かったら一緒に遊ばない?」
もし彼があなただったら
今の私を見て、私の強がる肩を掴んで
バカだなって叱って
優しくキスをして
嘘だ、って抱きしめてくれるだろうか
私は暫く男の人の顔を見つめてそんな事を考える
暫くして、私は男の人の言った言葉は無視して再び歩き始めた
後ろでなにやら文句を言っている声は、聞こえなかったことにしよう
冬獅郎が死ぬ前、私と二人で来年の計画を立てていた
「夏はまた海行こうな」
「うん!私頑張ってセクシーな水着着る!」
「んなとこ頑張ってどうすんだよ;;」
とても他愛無い話だったけど、
今思い返すと馬鹿だな、って思うけど
幸せだった
他にも、いっぱい映画を観るとか
色々な事を約束した
約束したのに・・・
「遠くへ行くな」とか言ったくせに
今はあなたが手の届かない、遠くへ行ってしまったじゃない
お願いだから一人にしないでよ・・・
寂しいよ、悲しいよ、
大きくはないけど、あの優しい手で
私の頭を撫でて
あの丁度良い筋肉がついた腕で
強く、抱きしめて
私のそばで、生きていてよ
冬獅郎に、会いたい
もうどんなに思っても無理なのはわかっているけど、想いが止まらない
---END---
またまた微妙でごめんなさい;;
沢田知可子さんで「会いたい」です。
だんご様、こんなヘボでごめんなさい;;