今日も私はあなたに会いに・・・

























あなたに会いたくて

























私、空座第一高等学校に通っている




毎日の日課で行っている所があります




え?それは何処かって?




それは、とても不思議なお店










浦原商店










ー!一緒に帰ろー」





時間は午後四時、授業は終わり竜貴はに声をかけた





「あーゴメン竜貴ちゃん、私あそこ行くから・・・」





浦原商店に





、そんな所行かないで、これから私ん家来て女の悦びに目覚めてみない?」





千鶴はの顎の下に手をやった





「え??」





「コラぁ千鶴!!に変な事言うんじゃないよッ!!」





竜貴は千鶴をから引離した





をねぇそっちの道にユウワクすんなはヤメなよね!」





「うるさいなあ、あんたにゃカンケーないでしょ」





竜貴と千鶴は揉め始めた





困ったなぁー時間ないのに・・・;





「竜貴ちゃん、千鶴ちゃんやめなよ」





は二人の間に入った





はもう行きなよ、時間なくなっちゃうから」





「えー行っちゃうの。じゃあその帰りでもいいわ、私の家来・・・」





「えーい黙れ!この万年発情ネコ!!!変質者!成敗してくれる!!」





「ホホホホホホホ」





仲が良いのかなこの二人は・・・;;




まぁいいや、お言葉に甘えちゃお





「じゃ、じゃあね竜貴ちゃん、千鶴ちゃん。あんま暴れちゃ駄目だからね!」





早く行かなきゃ





は教室を出た










間に合うかな?




あそこ何時まで開いてたっけ;





は靴を履くと走り出す





早く会いたいな




喜助さんに










サン遅いっスねー」





「どうなされました店長」





テッサイは喜助の前にお茶を置きながら聞いた





「いや、なんでも・・・」





そのうち来ますよね





サン










はぁっ・・・はっ・・・





こんなお店まで長かったっけなー;;




いつも喜助さんの事考えながら行ってるから早いのかな




そういえば、初めて喜助さんと会った時も私考え事しながら歩いてたんだよねー




丁度テスト近くて・・・




















「えっとぉーXの所に5代入して・・・」





この後どうすんだっけな;;





雨の日、は傘を差しながらゆっくり歩いていた





うーん・・・わかんない・・・どうだっけ・・・






ドンッ





「きゃっ」





「うわっ」





バシャンッ!!





は誰かとぶつかり尻餅をついた





いったぁーやっちゃった;相手の人平気かな!?





は顔を上げた





するとそこには、雨で日も出てないのにもかかわらず帽子をかぶり





下駄を履いた男の人が、しゃがみながら此方の様子を窺っていた





「大丈夫っスか?」





「へ、平気です!!すいませんでした!!」





は頭を深く下げた





どうしよ;;許してもらえるかな、怖い人だったらどうしよう!!





「それならよかった」





そう言うと男は立ち上がり、に手を差し伸べた





「??」





「どーぞ」





「あ・・・ありがとうございます」





はその手を掴み立ち上がった





「それにしても、スカート酷い事になっちゃったスね;」





「え・・・?」





はそう言われて見てみるとスカートは雨水を吸い込んでビチャビチャになっていた





「本当だ!どうりで重たいと思った」





どうしよっかなぁ;こんなの見せたらお母さん怒るだろうな





「ワタシん家すぐ近くなんで寄ってきますか?」





洗ってあげますよ





「本当ですか!?ありがとうございます!!」





よかったーこれで怒られなくて済む





はホッと胸を撫で下ろした





「じゃあ行きましょ」





カラン、と下駄を鳴らして男は歩き出した





「あの、名前教えてもらえませんか!?」





は後ろから叫んだ










「浦原喜助っス」










浦原さんか・・・





「えっと、私はです」










私はその時恋に落ちた










この帽子男さん・・・浦原喜助さんに










サンですか、いい名前っスね」





そう一言云うと浦原は再び歩き出した




















その後スカート洗ってもらって、乾かす間色々お話したんだったなぁ〜





「・・・バッター4番、花刈ジン太――――」





が思い出しながら走っているとジン太の声が聞こえてきた





「かっこいいバックスイングから――――」





あーこの声はジン太だ、また野球ごっこしてる





「だらっしゃア!!殺人ホームラン!!」





ジン太はそう言いながら思い切りほうきを振っていた





元気だなー全く、隣にいるウルルちゃん困ってるじゃん





「おーい、ジーン太ぁ!!ウルルちゃぁーん!!」





はジン太達がはっきり見える所まで来ると二人に向かって叫んだ





「あ、じゃねぇーか今日は遅かったな」





さん・・・」





「ちょっと揉め事があってねー;;」





まだお店開いてる?





「おう、店長なら店の中にいるぜ」





ジン太は親指を立てて店の中を指示した





「そう、ありがとうね」





やっと喜助さんに会える





は走って店の中へ入っていった










「喜助さん!!」





は履いていた靴を脱ぎ捨てると思い切り障子を開けた





サン」





やっと来てくれましたか、と浦原はの座る所に座布団を用意した





「ちょっと友達同士が揉めてて;」





「そうなんスか。ワタシはてっきり今日は来てくれないのかと思っちゃいましたよ」





寂しかったんスよ





「そ、そんな訳ないじゃないですか!!何があっても此処には来ますよ」





学校より実は此処にいる方が楽しいし




竜貴ちゃん達は好きだけどね





「はは、それは良かったっス」





浦原は笑いながら言った





殿、お茶をどうぞ」





台所からテッサイが出てきての前にお茶を置いた





「あ、ありがとうございます」










「さてサンw今日はなんのお話をしましょうか」










浦原はニッコリと笑った










私はあなたに会いたくて





毎日此処に通います









---END---

出番、少ないな喜助・・・