あれから、もう一週間高杉くんとは話していない
「」
「あ、トシおはよう」
「今日も、来てないな」
「そうだね・・・」
それどころか、此処一週間、
高杉くんは学校にも来ていないようだ
「はぁ・・・・・」
私は横目で高杉くんのいない机を見て、小さく溜め息を吐いた
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「ねぇーえ、晋助学校行かなくていいのぉ?」
「一時期ずっと通ってたよねぇ?寂しかったんだからぁ〜!」
「あっ、ちょっとくっ付き過ぎ〜!!ずるいわよ〜!」
「オメーらうるせぇんだよ、ちょっと黙ってろ」
ふぅー、と煙を含んだ息を細く吐き出す
俺を取り囲む女共は、黄色い声を上げて何かごちゃごちゃ話しているが
その声は俺にとって不愉快極まりない
此処は地下にあるクラブで、昼間から色んな奴等が溜まっている
碌な奴は、1人もいない
「ったくどいつもこいつも」
女っつーモンはめんどくせぇ
あいつはそうじゃないと思った、のに
それは勘違いだった
「しーんすけぇ、相手して?」
「あぁいいぜ、こいよ」
めんどくせぇ女1人に手を焼くくらいなら、
適当に色んな女を相手してる方が何倍も楽だ
もうあいつのことなんか、、、
のことなんか、忘れてやる
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「土方さん聞きやしたかィ?」
「あ?何がだ」
「高杉の野郎最近またあのクラブにいるらしいですぜ」
「ふーん、・・・それで学校来ねぇワケだ」
昼休み、いつもはからかう以外ではあまり近寄ってこない総悟が俺の目の前にやってきた
「それで、俺ァいい加減この状況に厭きたんでねィ」
「・・・・・」
「一発やらかしまさァ」と総悟はニヤリと笑みを浮かべた
「土方さんはどうしやす?」
「俺ももうこの状況に嫌気が差してきたところだ」
「じゃ、今日の19:00っつーことで」
「あぁ、には言うんじゃねぇぞ」
「当たり前でさァ」
総悟はくるりと向きを反転させると、教室から出て行った
「あいつも一途な奴だよなァ・・・」
惚れた女のために、
自分には利益がなくとも・・・・
「流石、俺が身を引いただけあるわな」
俺も鞄に入れておいた煙草を手に取り席を立った
偶然視界に入ったは、一人ずっと外を眺めているだけだった
青き、少年心
(それなのに、高杉の野郎は、)
(なんでの気持ちをわかってやらねぇ)
(自分の思い通りにならなかっただけで拗ねやがって)
(俺達には掴む事ができない幸せを掴めるってのに。)
(その根性叩きなおしてやる。)