あー久しぶりだなぁー!!
Believe
「とうちゃぁーく!!」
は勢い良く両手を上げた
「本当にの部屋に近いんだな」
あそこの部屋だろ?
日番谷は指をさした
「うん、そうだよ」
私の部屋の場所覚えてくれたんだね
は周りを見渡しながら言った
「あぁ、結構記憶力には自身があってな」
なくしちまったけど・・・
日番谷は最後の言葉を小さく呟いた
「へ、平気だよ、きっと取り戻せるよ!」
「ん、そだな」
悩んでたってしょうがねぇ
日番谷はそう思うとの手を掴んだ
「??」
「もうちょっとあっち行こうぜ」
此処じゃ危ねぇ
日番谷はの手を引き真ん中の方へ引っ張った
「ありがと・・・」
冬獅郎はもう私と普通に手を繋いでくれるんだ
もっと甘えてもいいのかな
前みたいに・・・
「この辺りか?写真撮ったの」
日番谷はある程度立ちやすい位置に来ると足を止めた
「うん、大体この辺、よくわかったね」
写真見てわかった?
「あーそれもあるけど、なんとなく此処な気がしたんだ」
不思議だよな
日番谷はその場に腰を下ろした
「まぁ、いい事なんじゃない?」
も日番谷の隣に腰を下ろす
だって、それって記憶が完全に無くなってないって事じゃない?
なんとなくだけど、覚えてるんだよ
「それなら、いいな」
何か思い出せるかもしれねぇ
「此処見てさ、何か思い出せない?写真も合わせてさ」
なんでもいいから
くだらない事だって
何かさ・・・
「悪い、何も思い出せねぇ」
「そっか、ならしょうがないね」
「そろそろ寒くなってきたから帰るか?」
呆気なかったけどよ
俺はお前と時間を過せてよかったと思うぜ
「ん、そぅだね・・・」
いつまでも此処に居たってしょうがないよね
思い出せないならいる意味がない
日番谷は先に立ち上がりが立つのを待った
「ぁ、ごめん今立つね」
はボーっと辺りを見たまま立ち上がった
しかし
「きゃっ」
やばっ・・・
は立ち上がった瞬間体勢を崩し屋根から落ちそうになった
「あぶね;」
大丈夫か?・・・・・っ
完全に体勢を崩す前に日番谷がの手を掴んだ
「うん、ありがと・・・冬獅郎?どうかしたの?」
がお礼を言いながら日番谷の顔を覗くと
日番谷は目を見開いたまま固まっていた
「・・・・・した」
「え?」
何?どうしたの?
「思い出した・・・」
俺、前もこうやってが落ちそうになったのを止めただろ?
その前、その後、何をしたか・・・・
思い出した
「本当!?」
「あぁ、此処来たときだけの記憶だけど、此処で起きた事なら答えられるぜ?」
日番谷はしっかりの体勢を直すとそのまま視線を合わせた
「じゃ、じゃあ、此処でやった事言える?」
「此処、仕事帰りで来たんだよな。それで少しだけ話して、帰ろうと思って立ち上がったらがさっきみたいに体勢崩したんだ」
それで・・・
「その後、此処で、丁度今みたいに夕日の中でとキスをした」
だろ?
「ぁ、合ってる・・・その通りだよ冬獅郎」
ょ・・・よかった・・・・っ
記憶、少しだけだけど取り戻せた・・・
は両手で顔を隠した
「ぅ・・・うぅっ・・・」
「!?」
はその場にしゃがみ込み泣き出した
「ご、ごめんね冬獅郎・・・っ、直ぐ泣き止むから、ごめんね・・・」
思い出したのは全部じゃないけど
私は十分嬉しいよ
ごめんね涙止まらなくて
「・・・」
日番谷もしゃがみ込み、の頭を優しく撫でた
「」
もう一回日番谷はの名前を呼ぶと頭から手を離しそのままその手でを抱きしめた
「うぅ・・・ひっく・・・」
泣くなよ
まだ記憶全部思い出したんじゃねぇんだからよ
その涙、最後まで取っておけよな
「なぁ」
「ぇ・・・んんっ」
がゆっくりと顔を上げると日番谷の顔が近くにあり
気がつくと日番谷はにキスをしていた
「んっ・・・はっ・・・」
久しぶりにキスするなぁ・・・
変わってない前と
前と同じ優しいキス
このキスをする度あなたをとても愛しく思った
「・・・・・っは」
日番谷は何度か角度を変えキスをすると少し惜しそうに唇を離した
「・・・・・・・だ」
「??」
「俺、記憶がなくても、あっても、の事好きみたいだ」
日番谷はそう言うとの首に腕を回し強く抱きしめた
「気付くのおせぇよな・・・」
「冬獅郎・・・」
駄目だ、また泣きそう・・・
嬉しい事が多すぎるよ一日に
もそっと日番谷の背中に腕を回すとゆっくりと抱き締めた
「また泣くんじゃねぇぞ」
「えぇ?駄目なの?」
は抱き締めたまま日番谷の顔を見た
「全部記憶が戻るまで取っておけ」
毎回毎回勿体無いだろ
「わかった、努力するよ」
その代わり、全部記憶が戻ったら大泣きさせてもらうからね
「おう、俺の胸貸してやるよ」
---END---
まだ終わりじゃないYO?