俺はの部屋を出た
本当はまだ居たかったけど
は嫌なんだろう?
俺はの嫌がる事はできるだけしたくないから・・・
は知ってるか?
いつから俺がこんな気持ちを抱いていたか
Believe
それは、まだ俺もも冬獅郎も死神にはなってなく流魂街にいた時だ
その頃俺達はいつも一緒にいた
「シロちゃん!ちゃん!」
は勢い良く戸を開けた
「なんだよ」
「どうした?」
そこには冬獅郎とが二人座って遊んでいた
「あのね!これから原っぱに遊びに行かない?」
は人差し指をピンと立てた
「何のために」
冬獅郎はに目を合わさず目の前にある玩具で遊びながら言った
「ぇ、急に行きたくなっただけなんだけど・・・;」
は少し困った顔をし、目に涙を溜めた
「駄目・・・かな・・・?」
「ううん、そんな事ねぇよ、行こう!な、冬獅郎!!」
そう言っては持っていた玩具を置き立ち上がった
「・・・ったく、しょうがねぇな、おら泣くんじゃねぇよ」
冬獅郎は溜息を吐きながら立ち上がり服の袖での涙を拭き取った
「ぅん・・・」
ありがと
は小さくそう呟くと忽ち笑顔になりと冬獅郎の手を掴んだ
「じゃ、行こう!」
「お前、すぐ表情変わるよな・・・;」
冬獅郎はを不思議そうに見ながら言った
「百面相なんだよな、は」
は笑いながら軽くの頬をつねった
「もぉーいいでしょぉー!早く行こぉー!」
はそう言って二人を引っ張り外へ連れ出した
「ー!早く来いよ!」
「まっ待ってよぉー;」
暫く歩くと道は坂道になり体力のある冬獅郎とはより先に歩いてた
「二人とも歩くの早いよぉー」
こんな急な坂なのに・・・
は両膝に手をつき止まった
「、こんな所で止まってちゃ日が暮れちゃうぜ?」
「の言う通りだ、早くしろよ」
冬獅郎ともしょうがなく坂で足を止めた
「だってぇー・・・;」
「しょうがねぇなぁ、は」
は小さく溜息を吐くとに近づいた
「何すんだよ」
冬獅郎はその行動に眉間に皺を寄せる
「はい、」
はの前まで来るとの方に背中を向けしゃがみ込んだ
「??」
「おんぶしてあげるよ」
早くしな
は手をヒラヒラさせた
「ぅ、うん」
ありがとちゃん
はの首に腕を回した
するとは軽々を持ち上げ冬獅郎の所まで向かった
「じゃ、行くか」
「・・・・・」
は冬獅郎に話しかけたが、冬獅郎は黙ったまま動かなかった
「・・・どうしたんだよ冬獅郎、あ、もしかしてお前もおんぶしてほしいのか?」
ごめんな、俺流石に2人は持てねぇよ;
は笑いながら言った
「ち、ちげぇよ!!」
馬鹿にすんじゃねぇ!!
冬獅郎はそう怒鳴ると一人歩き出した
「冗談だって;怒んなよ;;」
は慌てて冬獅郎の後を追った
「はは、シロちゃんが怒ったー」
その光景を見てはケラケラと笑う
「うっせぇな!」
「ぁう;;ごめん・・・」
は冬獅郎に睨まれ慌てての後ろに隠れた
俺はこの時まだ冬獅郎との両方を平等に好きだった
でも今考えると、この時から冬獅郎はを好きだったのかもしれない
気持ちを素直に伝えられなくて、だからに対して冷たい所があったのかもしれない
冬獅郎がそんなだったから、俺も自分の新しい感情に気づいた
俺の中では特別な存在に変化した
「あーやっと着いたぁーw」
はそう言っての背中から飛び降りた
「は歩いてねぇじゃねぇかよ」
「まぁーいいじゃんか」
は楽しんでいるの邪魔をさせないように冬獅郎の肩を抑えながら言った
「ったく、は何時までも餓鬼だよなー、こんな所来て何が楽しいんだよ」
冬獅郎は後ろに手を組み寝転んだ
「んーそれは女の子だからじゃねぇか?」
俺達は男だから分かんないだけだろ
は冬獅郎の隣に腰を下ろした
「は・・・」
冬獅郎はの言葉を聞いて何か言おうとした
「ん?」
なんか言ったか?
「は、を女って見てんのか?」
冬獅郎はを見ながら言った
「ぇ?」
「ぃ、今言ってたじゃねぇかよ!女の子だからって!」
冬獅郎は眉間に皺を刻んだ
「確かに言ったけど・・・」
は元から女の子だろ?
何を今更
は不思議そうに聞いた
「別に・・・なんでもねぇ」
今の話忘れろ
冬獅郎はそう言ってそっぽを向いた
「ふーん、冬獅郎は俺がの事好きだと思ってんだ」
は冬獅郎の耳元で小さく呟いた
「なっ、そんなんじゃねぇよ!!」
なんで俺がそんな事思わなきゃいけねぇんだ
冬獅郎は上半身だけど起こしを睨んだ
「あ?なんとなく」
そんな怒んなよな
「・・・・」
冬獅郎は再び腕を組み草の上に寝た
「・・・俺は、の事好きなのかな・・・・?」
に思う感情はあんま冬獅郎と変わらねぇ筈なんだけどよ
は小さく呟いた
「んなもん知るか」
俺に聞くんじゃねぇよ
「冬獅郎は?」
「あ?」
冬獅郎はの方を見た
「お前はの事どう思ってんだよ」
「知らねぇ」
てか、には関係ないだろ
冬獅郎は冷たく言った
「・・・そ、そうだな」
「ちゃーん!シロちゃーん!」
と冬獅郎が気まずくなっていると離れた所にいたが走って来た
「なんだ?」
走ってきて
なんかあったのか?
は視線をに移した
「見てこれ!作ったのぉー!」
はそう言って冬獅郎との頭に何かを乗せた
「花の冠?」
冬獅郎は呟いた
「そーすごいでしょーw」
私のは首飾りなの!
は手に持っていた花の輪を自分の首に通した
「ありがとう」
「うん、私もありがとー」
ここまでおぶってくれて
はに微笑んだ
俺はあの時のの笑顔をまだ覚えてる
その時はまだはっきりと自覚してなかったけど
すぐ自分はの事が好きだとわかった
冬獅郎も俺の少し後だけど自分はの事が好きだと分かったらしい
3人が死神になって何年か経つと冬獅郎とは付き合ってた
俺はどうしても諦め切れなくて、諦めたくなくて
に思いを告げた
駄目なのは分かってた、冬獅郎という彼氏がいたから
気まずくなるのも分かってた、でも我慢できなかった
これが恋なんだろう
本当はしたくなかったり、言いたくないのに
その時の感情だけで動いてしまう
ごめんな
お前は嫌だろうけど
俺はどうやったってお前を忘れる事はまだできねぇんだよ
---END---
今回の話、ものすごく書くのに時間がかかった;;