は店に入ると嬉しそうに商品を眺めた
俺はその間にある物を見つけレジに向かった
にはばれない様に俺は買った物をポケットに入れた
Believe
「結局なんも買ってねぇのか?」
店を出て二人は再び歩き出す
「うん、只見たかったの、可愛い物いっぱいあったから」
欲しかったんだけどね;
は小さい声で言った
「そうか・・・てかお前寒くないのか?」
こっちの季節は冬なんだぜ?
日番谷はの姿を見て言う
は長袖の服を着てはいるものの
マフラー、手袋はしていなかった
「ぇ?あ・・・そういえばちょっと寒いかも;」
さっきまでははしゃいでて分からなかったけどね
は両手を擦り合わせた
「ったく」
日番谷は小さく溜息をすると
自分に巻いていたマフラーを取りに巻いた
「??」
「それ使えよ//俺は手袋あっから」
それで少しはマシだろ?
そう言って日番谷は再び前を向く
しかし顔は赤く、それを見たは微笑んだ
「ありがとう」
「ぉ、おう//」
日番谷はぎこちなく返事をした
「うっわ、すげー混んでる;」
「こんなもんじゃないかなぁー?」
暫くするとと日番谷は目的地に着いた
場所は・・・・・・遊園地
は目を輝かせ辺りを見渡す
混雑さに嫌な顔をしていた日番谷ものその表情を見ると小さく笑った
「おら、さっさと行こうぜ」
乗り物乗れなくなっちまう
日番谷はそう言っての肩を叩く
「あ、そっか;早く行こー!」
は慌てて日番谷の背中を押し入り口へ向かった
「冬獅郎ォーあれ乗ろv」
入園するとは日番谷の腕を掴みジェットコースターを指さす
「あ?お前あーゆーの平気なのかよ」
そういえば写真に写ってたのこれだよな?
俺は別にいいけどよ
そう日番谷が聞くとは 当たり前でしょー と言った
「だから早く行こうw」
は日番谷を少し引っ張りながら入り口に向かう
は、今日のデートでやっぱり記憶を取り戻そうと何かするんだろうか
ジェットコースターに乗るのもそのためか?
・・・関係ねぇよな;此処はコレが有名なんだから乗って当たり前か
俺は、今の俺自身は、もう記憶なんてどうでもいい
このままでもを幸せにできる自信があるから
でも、は嫌なんだよな?
すべての記憶があってほしいんだよな・・・?
日番谷はの横顔を見る
俺がこんなでいいんだろうか
いい訳がない・・・俺の記憶なんだから
俺がやる気になんなきゃ、取り戻せるモンも取り戻せなくなる
「・・・・郎?」
の事が好きだから
俺は頑張ろう
「冬獅郎?」
「ぁ、あぁ?悪い;なんだ?」
日番谷がそう考えているといつの間にか立ち止まり心配そうにが見つめていた
「平気?調子でも悪いの?」
ジェットコースターやめようか?
は眉を下げ日番谷の表情を窺う
「いや、なんでもねぇよ;乗ろうぜジェットコースター」
いつから見てたんだろうか
日番谷はそう言うと再び歩き出した
「ならいいんだけどね」
無理しないでね
はまだ少し心配そうな顔をしながら日番谷の横を歩く
暫くしてと日番谷はジェットコースターに乗り
その後も色々なモノに乗った
はその間も少し心配そうに日番谷を見る
日番谷はその視線に気付きながらも何も言わなかった
「大分暗くなってきたな」
「そうだねぇ」
時間は午後七時、辺りは随分暗くなり
辺りはイルミネーションで飾られた
「これからどうする?」
もう帰るか?
日番谷はの顔を覗き込んだ
「私、最後にあれ乗りたいな」
がそう言って指さす所には
観覧車があった
「いいぜ、最後に乗ってくか」
日番谷は観覧車に向かって歩き出す
「うん」
は小さな声で返事をし日番谷の背中を見ながら歩いた
今日の冬獅郎はなんか何時もと違うんだよね
どうかしたのかな?
私、また何かしちゃっただろうか
「2名様ですねーどうぞv」
観覧車の前に着くと定員がそう言って日番谷とを誘導する
二人は乗り込むと向かい合って座った
「「・・・・・・・・・・」」
何話せばいいんだろう
聞こうかな、今日の事
は日番谷の顔を見た
その時丁度日番谷と目が合い
お互い逸らしてしまう
しかし少しすると日番谷が口を開く
「」
は日番谷の声に吃驚し肩を震わせる
「な、何?」
「お前は、俺にどうなってほしい?」
日番谷はそれだけ言って黙り込む
「どうって・・・?」
一体どういう事?
は日番谷の質問が理解できず聞き返す
「悪い、質問が悪かった;はさ、俺の記憶が戻った方がいいか?」
日番谷はそう言って今度はの目を見つめる
「記憶?そ、そりゃあ戻った方がいいと思ってるよ?」
だって冬獅郎だってそうでしょう?
「・・・・俺は・・・俺は今のままでもいいと思ってる」
無理して記憶なんて戻さなくてもよ
俺はこのままでもの事幸せにできる自信あるぜ?
「・・・・そ、そうなんだ」
は日番谷の言葉を聞くと俯いた
冬獅郎は、そう思ってるんだ
「ならね、冬獅郎」
私もそれでいいと思うよ
は日番谷に微笑んだ
「無理に戻さなくって」
冬獅郎がそれを望むなら
「いいのか?だって・・・」
日番谷は何か言いたげに言葉を詰まらせる
「いーの、記憶無くたって今の冬獅郎好きだし、冬獅郎も私の事好きって言ってくれたじゃん」
私はそれだけでいいの
でも戻るのなら戻ればいいとも思う
だから・・・そのー;戻る場合は戻る、戻らない場合は戻らない・・・?
は首を傾げながら言った
「はっ、なんだよそれ」
意味わかんねぇ
でも・・・
「サンキューな」
なんか楽になったわ
日番谷はそう言って立ち上がりの隣に座る
動いたせいで室内は横に揺れる
「どうしたの冬獅郎?」
は隣に来た日番谷の顔を覗く
その瞬間、唇に柔らかいモノが触れた
「・・・今日何の日か知ってるか?」
日番谷はゆっくり唇を離しに尋ねる
「え・・・?」
「俺の誕生日」
今日12月20日だろ?
俺もこの前松本から聞いて知ったんだがな
「・・・あぁ!!ご、ごめん;;」
忘れてた・・・;;
は眉を下げ日番谷に謝る
「別にいいんだけどよ、色々忙しかったし」
それより受け取って欲しいもんあんだけど
日番谷はそう言ってポケットから昼間買ったモノを取り出した
それは小さい箱
綺麗にラッピングされている
「ぇ?何これ」
「いいから、開けてみろよ」
日番谷はに小さな箱を渡す
は受け取るとゆっくりと上のリボンを解き
包装紙を取った
そして箱のふたを開ける
「こ、これ・・・」
「昼間の店で買ったんだ」
これ見てただろ?
日番谷は箱の中身を指さす
中には、シルバーの指輪が入っていた
その指輪はピンクの小さなハートがいくつも埋め込まれており
角度を変えて見るとキラキラと光った
「そ、そうだけど・・・」
は心配そうに日番谷を見つめた
「なんだよ、嬉しくねぇのか?」
「違う、とっても嬉しいよ?でも・・・」
はそこまで言うと俯いた
「今日は冬獅郎の誕生日じゃない、私プレゼント何も用意してないし・・・それなのにプレゼントだなんて・・・」
冬獅郎に悪いよ;
「なんだそんな事かよ;」
日番谷は溜息を吐き
箱に入っている指輪を取り出した
「いーんだよ、プレゼントなんて」
俺はお前から色々なモン貰ってるから
目に見えないモンだけどな
日番谷はそう言いながらの左手を取り
薬指に指輪をはめた
「でも・・・;」
「そんなになんか俺にプレゼントしたいのかよ;」
はその問いに頷く
それを見た日番谷はの指に指輪をはめ終わると隣に座った
「なら、約束をくれよ」
「ぇ・・・?」
日番谷はそう言って再びに触れるだけのキスをする
「結婚の」
指輪もはめた事だしよ
日番谷はニッと笑う
「な////」
何言ってんの!?
は真っ赤になり両手で口を押さえる
「お前モテるみたいだからな、先に約束しておくんだよ」
それなら安心だろ?
あ、もう終わりみたいだぜ?
とにかく外出るか
日番谷はそう言っての手を掴み
ドアが開くと素早く外へ出た
「で、約束くれるのかよ?」
日番谷とは観覧車から降りるとゆっくりと出口に向かった
「・・・プレゼント、それでいいの?」
はマフラーを巻きなおしながら聞く
「それでって;十分だろ」
今俺はそれ以外欲しいもんなんてねぇよ
日番谷は笑いながら言う
「それじゃあまた私のプレゼントみたいだなぁ〜」
はそう言って立ち止まる
「どうし・・・「そのプレゼントで決定ね」
その約束を冬獅郎にあげる
はそう言って自分から日番谷にキスをする
「・・・なんか今日キスばっかしてんな//」
日番谷は少し顔を赤らめ微笑む
「そういえばそうだね//」
「・・・・・ぁ」
日番谷は自分の手袋を片方取りの手に被せる
そして空いた手同士で手を繋いだ
「お前、手冷てぇな」
ごめんな、気付かなくて
日番谷はそう言うと握ったまま歩き出した
「いいよ、・・・ねぇ冬獅郎」
そろそろ名前で呼んでくれないかな・・・?
って、呼んでよ?
は少し恥ずかしそうに言う
「何時までもなんてやだよ」
「そういえばそうだな・・・;」
なんか呼んでいいのか分からなくて;
日番谷はそう言って頭を掻くと
軽い深呼吸をしてを見た
「」
やっぱ、まだなんか恥ずかしいな//
好きな奴の名前を呼ぶのは
日番谷がそう言うとは嬉しそうに笑った
二人はそのまま手を繋ぎ、現世を後にする
---END---
何回kissしてんねん