きっと記憶は取り戻せる・・・
Believe
「じゃあ戻りましょうか、日番谷隊長も待ってると思うので」
卯ノ花はそう言うとドアを開けた
「行きましょ」
「はい」
「お待たせしてすみません日番谷隊長」
「別に、平気だ」
冬獅郎は入ってきた3人を見るとに目を止めた
「なに?どうかしたの?」
その視線に気づいたは冬獅郎に声をかける
「なんでお前さっき泣いてたんだ?」
冬獅郎は不思議そうに尋ねた
お前か・・・
名前で呼ばれないのは、やっぱ寂しいな・・・
「そんな事聞かれてもなぁ;;」
「??」
言ってもきっとわからないよ
意味がわからないで終わるだけ
はそう思い口を閉じた
「あ、そうだわ」
突然乱菊は声を出した
「一回二人っきりで話なさいよ、ね、卯ノ花隊長?」
「そうですね、私達は外に出てるので」
「そ、そんな;何話せばいいんですか;;」
は乱菊に尋ねた
「そんなの適当よ。二人の関係でも話なさいな」
小さい声でそう言うとポンッと肩を軽く叩いた
「では、失礼しますね」
卯ノ花と乱菊は出て行った
「「・・・・・・」」
困ったなぁ;;
一体何分間この沈黙が続いているのだろう
何話せばいいのかわからない
乱菊さんの言っていた事は・・・私からは言い出しにくい
「おい」
「・・・・」
「おいってば」
「・・・はぃ!?」
「さっきお前の隣にいた女が言ってた事なんだが・・・」
隣の女って乱菊さんかな?
「俺とお前の関係ってなんだ?」
あんな小さい声で喋ってたのに聞こえていたんだ
「えっと、聞きたい?」
「そりゃあな」
「そう・・・でもその前にね、言っておきたい事があるの」
「なんだ」
「冬獅郎はね、今、記憶喪失なんだって」
「記憶喪失?」
「うん」
俺が記憶喪失?
だからコイツの事とかすべてわからねぇのか
日番谷は自分の頭に巻かれている包帯をそっと撫でる
「それは戻るのか?」
「うーん・・・卯ノ花隊長が言うにはきっかけさえあれば記憶が戻る可能性があるんだって」
そうか、じゃあコイツには悪い事してんだな・・・
「じゃあ話戻るね、私と冬獅郎の関係は・・・」
やばっ・・・言えない・・・
泣いちゃいそう・・・
「関係は・・・っ」
の目には涙が溜まった
「どうかしたのか?」
その姿に気づいた日番谷はに声をかける
「ごめ・・・ごめんね」
言わなきゃ、言わなきゃ始まらない
「か、関係はね恋人同士だったんだよ」
それを言ったと同時に、の目からは涙が流れた
恋人同士!?
お前と俺が!?
「そ、そうなのか・・・」
「ビックリしちゃうよね、いきなり恋人同士なんて」
言うんじゃなかったかな?
私なんかが彼女でショックかな?
「それじゃあ、すまなかったな」
「え?」
「辛かっただろ?」
恋人が記憶をなくすなんて
辛いに決まっている
「そ、そんな・・・」
は涙が止まらず必死に手で目を擦る
「ちょ;;俺なんかいけない事言ったか?」
冬獅郎は困った顔でを覗き込む
「ううん、違・・違うの・・・そんな事言われたら涙が止まらなくって・・・」
「そ、そうか;;」
「ごめんね・・・あのね冬獅郎」
「ん?」
「絶対記憶取り戻させてあげるから」
私頑張るよ
この悲しみに負けないように
悲しみをバネにして頑張るから
---END---
ヒロインの決意。