日番谷は焦る気持ちを抑え
の部屋へ向かった
Believe
どうか、何事もないように
日番谷はの部屋の前に辿り着くと
そう思いながら、ゆっくり戸を開ける
「・・・?」
部屋の中は真っ暗で人の気配がしなかった
寝ているのか?
日番谷の不安は募り
勝手に部屋の置くまで進んだ
「・・・・・・」
日番谷は呆然と立ち尽くした
「・・・?」
そこにの姿はなく
真っ暗で空っぽの空間
何処に行った?
随分前に帰った筈なのに
日番谷の額には焦りを隠せず汗が伝う
「・・・市丸・・・」
そう呟くと日番谷は刀の柄を握った
あいつ、まさか
日番谷は勢い良く地面を蹴り
の部屋を後にする
何処だ
何処にいる
日番谷は音もなく廊下を駆ける
幾つかの部屋を探したがの姿は見当たらなかった
「隊長・・・?」
ふと後ろから声が掛かる
日番谷は慌てて振り返り
じゃない事に溜息を吐く
「なっ、なんで溜息吐くんですか!」
そこにいたのは乱菊
乱菊は酔っているせいか少し頬が赤かった
「今お前に構ってる暇はねぇ」
悪いが後にしてくれ
日番谷は乱菊の言葉を無視し
再び走り出そうとする
「ちょっと待って下さいよぉ〜」
無視はないんじゃないですかー?
乱菊はそう言って日番谷の服の裾を掴む
しかし、日番谷の顔を見た瞬間手を離した
「隊長・・・どうしたんですか・・・?」
「・・・・」
日番谷は何も言わず俯く
乱菊は酔いが醒めた様に真面目な顔をした
「に何かあったんですか?」
その言葉に日番谷は肩を震わせる
「そうなんですね」
「が・・・部屋にいないんだ」
俺よりずっと前に帰った筈なのに
「・・・・ギン、の仕業ですか?」
「それはまだ分からない」
でも俺は、そう考えてる
日番谷はそう小さく呟くと乱菊の横をゆっくりと通り過ぎる
「何処まで、探したんですか」
乱菊はそれを止めず
目も合わせず聞く
「殆どの場所は探した」
あとは三番隊詰所付近だ
「なら・・・」
乱菊はそこで止めて日番谷の方に振り返る
ギンの部屋の近くの小部屋を絶対覘いて下さい
あそこは目立たないから
ギンの仕業なら、そこにいる可能性があります
「あぁ、わかった」
ありがとう松本
日番谷はそう言って瞬歩を使い乱菊の前から姿を消す
「ギンなら、ですけどね」
できれば、はずれていてほしい
乱菊はそう思いながら日番谷が走っていった方を眺めた
---END---
乱菊サンいい。本当にいい人だよ乱菊サン。
乱菊サンはギンの事も心配してるよ。
なんせいい人ですからッッ!!(意味深