あの出来事から一週間が経って





冬獅郎は、もう仕事面では前と変わらなくなっていた


























Believe

























「隊長、この書類に印貰えます?」










「あぁ」










「隊長、この書類の事なんですが・・・」










「ん?見せてみろ」










一週間も経つと日番谷は殆どの事ができるようになっていた





「随分慣れたみたいですね隊長」





乱菊は日番谷の机にお茶を置きながら言った





「まぁな」





日番谷は机に置かれた湯飲みを手に取り


一口お茶を啜ると自分の手を見ながら言った





「体がよ、なんとなく覚えてる感じがしてな、すぐ覚えられるんだ」



「感覚が残ってるんですね」



「そうだな」





乱菊は近くの椅子に座ると話題を変えた















「ところで、とはどうなんですか?」
















「・・・あいつとは、アレから全然話してない」





日番谷はばつが悪そうに視線を乱菊から逸らす





「やっぱり」





乱菊は溜息を吐くと椅子に凭れ掛かった





「??」





やっぱりってなんだ?


あいつに何かあったのか?










ったら一日経つごとに元気なくなってるんですよ」










ご飯もろくに食べてないですし、と乱菊は付け足した





「そうなのか」





そういえばあいつ、この前見た時随分痩せてたな・・・


・・・やっぱ俺のせい、だよな





「隊長どうかしたんですか?」



「ん?いや別に・・・」



が心配だとか・・・?」



「そ・・・そりゃあ・・・当たり前だろ」





記憶がないとは言え俺の彼女なんだから





「じゃあ声かけてあげてくださいよ」





乱菊は真剣な表情をする










「実際これ以上いくと危ないんですよ、卯ノ花隊長からも注意されてて」










そこまでいってんのか





「でも、今更声かけろって言われてもな・・・;」





俺あいつに酷い事してたし・・・





「なんでですか?」





乱菊は眉間に皺を寄せた顔を日番谷に向けた




















「俺・・・ずっとあいつの事避けてたんだよ」




















あいつは最初、何回も俺に話しかけようとしてくれてた


でも、あいつが彼女だって実感が湧かなくて


すれ違う時さえ目を逸らしてた・・・





「そうだったんですか・・・」





乱菊は下を向き何かを考えていた


少しすると乱菊は顔を上げる





「やっぱり、避けていたとしても話かけるべきですよ」





何言ってんだ、あいつ怒ってるに決まってんだろ





「だって、このままだったら事が悪化するだけじゃないですか」

























はきっと隊長に話かけられたい筈ですよ”

























乱菊は最後の言葉を強調した





「・・・・」



「お願いします。これ以上の悲しそうな顔は見たくないんです」





見てると私まで辛くなってくるんですよ・・・


は私達十番隊の元気の源なんです





乱菊はそう日番谷に話した




































はぁー・・・・・・










冬獅郎、今頃なにしてんだろう





は一人書類を仕上げる為椅子に座っていた





「冬獅郎は・・・私の事嫌いになっちゃったのかな」





この前もすれ違う時、目逸らされちゃったもんなぁ


さすがに堪えるよ・・・好きな人に避けられるのは・・・


あー泣きそう・・・涙腺緩くなっちゃったのかな





さんどうかしたの?大丈夫?」





が机の上に伏せていると一人の隊員が声をかけてきた





「あ、平気だよ。ちょっと疲れちゃっただけ」



「ならいいんだけど、この頃元気ないみたいだったから・・・」



「そうかな?心配かけさせちゃってごめんね」





そんなに顔に出てんのかな





「ううん、なんか悩みあるんだったら相談乗るからね」



「うん、ありがと」





そう言って隊員は微笑むと戻っていった





十番隊の人達はみんな優しいな


そんな優しくされると我慢してるもの全部崩れそうになっちゃうよ










もう限界が近いかもしれない・・・




















---END---

相変わらず日番谷と乱菊は仲が良い。

しかし、その間にもヒロインは限界が近付く。