、
今まで色々とありがとう
小さい頃、私にとってはお兄さんみたいな存在だった
いつも我が儘言って困らせてごめんね
が私に告白をしてくれた時
ちゃんと向き合わなくてごめんなさい
気持ちに答えられなくてごめんなさい
の事は、大好きだよ
それは恋愛感情じゃないんだけど
ずっと、ずっと、大好きだったよ
Believe
「隊長、連れて来ましたよ」
と乱菊は部屋を後にすると日番谷のいる十番隊詰所に向かった
「おう」
詰所の戸を開け、乱菊がそう言うと窓の外を眺めていた日番谷がゆっくりと振り向いた
「なんか久しぶりだな、」
「・・・うん」
「行くか」
「うん」
日番谷は顔をあげないを見て苦笑し
すっと歩き出しての前に立つとくしゃっと頭を撫でた
見る見るうちに葬式が行われてゆく
どうしてだか、涙が流れない
泣き過ぎたせいだろうか
「、にさよならを・・・」
がそんな事を考えていると、不意に乱菊がの手を握った
「ぁ・・・、はい」
にさよならを
言わなくちゃ
はぐっと一瞬手を握るとの下へ向かった
「・・・」
穏やかに眠り続けているの前に立ったは
擦れた声でそう呟く
「ごめんね・・・」
守ってあげれなくて、
「・・・っ」
はガクンとその場に座り込みの手を握る
「ごめんね・・・っ」
なんで、なんで、こんなに心が痛いのに涙が出ないの・・・?
泣きたい、こんな気持ち・・・涙で流しきってしまいたいのに
「な、んで・・・泣けないっ、のよぅ・・・」
「ぇ・・・?何言ってんのよ;」
「・・・・?」
の言葉を聞いた乱菊は困ったように言う
「アンタ泣いてるわよ・・・?」
アンタの部屋を出てからずっと
今だって
ほら、と乱菊はの頬を右手の人差し指で撫でて涙がついているのを見せる
「本・・・当だ・・・」
もう、泣きすぎで、感覚がなかった・・・?
ずっと私は泣いていたんだ
「ぅっ・・・ひっく・・・ふ、ぅ」
は自分の目を擦りに抱きついた
「ぃや・・・嫌だよっ、・・・行かないで・・・傍にいて・・・目を開けて・・・ッッ!!」
無理なのはわかってる
でも
最後の我が儘
言うだけ言わせて・・・
「・・・」
急にの背中に重みが掛かった
なにかと思いは振り向くと日番谷がぐっと抱きついていた
「冬獅郎・・・?」
「もう、行こう」
「ぅん・・・?」
日番谷はそう言うと半ば強引にを立ち上がらせ手を握る
はそれを不思議そうに眺め、されるがままにから離れて行った
---END---
なに考えてるんだか冬獅郎は・・・。
60話を突破いたしました!
皆様有難う御座います!
獅馨哉は嬉しいですvV