俺はお前の事が心配なんだ

























Believe

























と乱菊は詰所に戻る為廊下を歩いていた





、本当にありがとね」





が隊長を見捨ててしまったらもう何を希望にすればいいか分からないから




あなた唯一人が頼りなのよ





「いえ、私こそありがとうございました。もう少しで本当に大切な人を失くしてしまう所でした」





私は、乱菊さんが止めてくれなかったら今頃逃げてましたから





「そうね・・・それより大分目の腫れ引いたわね」





「はい、これなら詰所に戻ってもどうにかなりそうです」





冬獅郎に会ったってきっと分からない筈、見間違いだと思うだろう





「さっきまではすごかったですもんね、隊長が見たらきっとビックリしてたと思うわ」





乱菊は笑いながら言った





「そ、そうですかね?」





確かにとてもビックリした顔をしてたな





「そうよーこの頃はの事気にし始めてるんだから」





頑張りましょう、と乱菊は言うと詰所のドアを開けた










「あら?隊長がいないわね」





何処行ったのかしら?





乱菊がドアを開けると、さっきまで居た筈の日番谷はいなくなっていた





「そうですねぇ」





本当に何処へ行ったんだろう





「まぁ直戻ってくるわよね、それより仕事仕事♪」





乱菊はそう言うと自分の席に座り書類を書き始めた





私も早く終わらせなきゃ





は自分の席に座った




















ギィ・・・





少しするとドアが開き日番谷が入ってきた





「あら隊長、随分遅かったですね」





「あぁ、ちょっと散歩してた」





そう言って日番谷は自分の席へ向かう





その途中、の後ろを通り横目で表情を窺った










「おい」





「・・・・・」





「おいってば」





日番谷はに向かって話しかけた





「隊長、名前ちゃんと呼ばなきゃわかりませんよ」





その後ろからコソコソと乱菊が教える





「・・・っ、おい





「・・・は、はい!?」





は顔を上げた





「さっきから呼んでんだよ」





「ご、ごめん」





まさか冬獅郎から話しかけてくれるなんて思わなかったから




しかも今“”って・・・




今まで名前呼んでくれなかったのに





「えっと・・・その・・・さっきお前・・・」





日番谷は躊躇いながら言った





「泣いてなかったか?」





やっぱアレ気になったのか





「さっきって言うか、最初に此処に来た時」





目、真っ赤だったからよ





冬獅郎が、私の事を心配してくれてる・・・?




ヤバッ・・・涙出てきそう・・・




でも、きっと本当の事を言ったら冬獅郎困っちゃうよね





「ううん、泣いてなんかないよ。目は寝不足」





違う




そんな訳ねぇ




絶対こいつ泣いてた筈だ




なんで言ってくれねぇんだよ




余計気になるじゃねぇか





「本当か?」





日番谷は真剣な顔をに向けた





嘘はつかないでくれ





そう思いながら聞いた日番谷だったが返事はやはり変わらなかった





「本当だよ、冬獅郎考えすぎ」





はぎこちなく笑った





「そ、そうか、ならいいんだが」





日番谷は納得していない顔をしながら自分の席へ行ってしまった





これで、よかったんだよね・・・?

























あいつ絶対泣いていたのに俺には言わないつもりだ




理由は分かるが、俺はお前が心配なんだ




迷惑かけたのは俺なんだし




あいつがあんな風になってしまったのも俺のせいだ




でもそれに気づく事ができたから




今はあいつを助けてやりたい、救ってやりたいと思ってる




記憶を取り戻せる方法があるなら喜んでやろう




でも分からないから、せめて何か思いつくようにお前の事が知りたいと思った




だからあいつは俺に心を開いてくれないだろうか




俺が記憶を失くす前の思い出、俺がお前にどういう言葉をかけていたとか




なんでもいいから




俺は前の事が知りたい










「隊長、大丈夫ですか?」





日番谷は一人険しい顔をしていた





「ま、松本か」





「なんですかその反応、が良かったんですかぁー?」





乱菊はニヤっと笑いながら言った





「別に、そう言う訳じゃねぇよ」





「でも今の事考えてたんでしょう?」





なんでこいつはこう鋭いんだろうか・・・





「ちげぇよ」





「またまたぁ〜恥ずかしがっちゃって」





さっきからずっとの事気にして見てるくせにvV





乱菊はそう言いながらソファに腰を下ろす





「なんでそれに・・・」





「やっぱり」





ヤベ;;つい言っちまった





「別にいいじゃねぇか」





「誰が悪いなんて言ったんですか。私はどっちかって言うと嬉しいんですよ」





嬉しい?





「私はと隊長が幸せになる事を祈ってますから」





「・・・////」





何言ってんだこいつは・・・////





「ぷ、隊長ったら照れちゃってぇ可愛いんだから」





乱菊は笑いながらソファに凭れた





「う、うるせぇ」





松本にも色々迷惑かけてんだな




松本はにも相談を受けているだろうから・・・




相談を受けている・・・?




そうだ





「おい松本」





「なんですか?」





乱菊は急に日番谷の声が真面目になったのにビックリして顔を上げた





「俺が、を気にしてる事が嬉しいんだよな?」





「はい」





「なら、教えてくれねぇかの事」





が駄目なら松本に聞くしかねぇ





「あいつは俺に何も話してくれねぇから、お前に聞くしかねぇんだ」





だから・・・





「嫌ですよ」





「は・・・!?」





「だから嫌ですって」





乱菊は呆れながら言った





「私が教えたら隊長と話さなくなっちゃうでしょう?」





「・・・っそうかもしれねぇけど」





でも・・・





「そうかもしれないなら尚更駄目ですよ」





諦めてに直接聞いて下さい





「そんな事言ったってよ、聞いたけど教えてくれねぇんだ。毎回誤魔化すんだよあいつ」





「たかが1〜2回でしょう?そんなんで今まで誤魔化してきた相手に心開く訳ありません」





確かに・・・




松本の言っている事は正しい





「しつこくなればいいじゃないですか隊長」





そうすれば何時かは心開いてちゃんと話してくれると思いますよ





「そうだな」





「あ、私もう仕事に戻らなきゃ、んじゃ。」





乱菊はソファから立ち上がった





「それと言っておきますけど、すべて教えない訳じゃないですから安心いて下さいね。」





「?」





の様子が変な時とかは知恵貸しますし、即報告しますからw」





なるほどな





乱菊は言い終えるとドアの方へ向かった










「おい松本」










「なんですか?」










乱菊はドアの取っ手を掴みながら振り向いた










「色々ありがとな」










日番谷は照れながら言った










「わかってます、今度奢って下さいね隊長」










乱菊はそう言って部屋から出て行った










俺さえ諦めないでしつこくなれば




は心を開く




それで本当には心を開くんだろうか?




逆によりいっそう閉じてはしまわないだろうか




ううん、今は彼是考えている余裕なんかない




ただ只管やってみるしかない










---END---

ababababa!!