あの男は毎日私の家へやってくる
キャッチボール
ピーンポーン・・・
今日も同じ時間に家のインターホンが鳴り響く
私は寝ながら雑誌を読んでいたが、雑誌を閉じ
近くにあったパーカーを羽織ってドアを開けに部屋を出た
私がドアを開けると、そこには見慣れた人物
「よ、!」
「武、毎日ご苦労様」
山本武、家が近所で毎日の様に遊んでいた男友達、幼馴染とも言う
武は何故だか毎日、この時間になると私を呼びに来る
「もう外いけるか?」
「うん、別にこの格好で平気だから」
はそう言うと靴を取り出し片足を靴の中に入れる
「なー、今日の家に泊まっちゃ駄目か?」
昨日から親が喧嘩しててさ;
空気が嫌なんだわ;
が靴を履いている間も、会話は途切れない
「またー?まぁいいけどね」
もう慣れたし
はそう言って靴を履き終わると立ち上がった
「サンキュ、じゃ、行こうぜ」
武はに背を向けドアを開ける
その手にはボール1つとグローブが2つ
これが二人の日課
「おーし、いくぞー!!」
「はいはい」
二人は家を出ると近くにある野原へ来た
そこで武は持っていたグローブを1つに渡し
ある程度の距離をとる
「ちゃんと取れよなぁー」
「わかってるってば」
武はそう言うとボールをしっかりと握り、構える
身体が動いた、と思うと既にボールから手が離されており
ボールはに勢い良く飛ばされていた
ボスッ・・・・
はそれを簡単にグローブの中に収めた
野球部でも取れるか分からないボールを
「ちぇー、まだには取られちまうか」
「甘く見ないでよねー、何年アンタとやってると思ってんのよ」
こんなボール取れない方がおかしいよ
はそう言って武に投げ返す
武はボールを受け取るとニコッと笑って言う
「も野球部入ればよかったのにな」
そしたらキャッチャーは絶対お前だよ
武はそういい終わると再びボールをに投げる
「やだよ、汗臭くなるじゃん」
それに私は女の子だから野球部には入れないよ
はそう言って、さっきよりボールを速く投げてみせた
武はそのボールもしっかりと受け止めると投げずにボールを見つめる
「男も女も関係ねぇよ、好きならな」
ま、どうしてもやりたくないならマネージャーやってくれよ
武はボールから目を離し今度はを見つめる
「は?なんでよ」
「そりゃ、マネージャーいると色々楽だから・・・?」
「私に聞かないでよ;」
は小さく溜息を吐いて苦笑する
「そりゃそうだな」
武も釣られて笑うとボールを持ったままに近付いてきた
「?」
「でもそれだけが理由じゃねぇんだよ」
武はの正面まで来ると投げずに其の侭の持っていたグローブにボールを置いた
「少しでもさ、一緒にいたいんだよ」
俺部活やってっからなかなか会えないし
まぁ頑張って毎日の家に通ってるけどな?
「それ、告白してんの?」
は瞬きもせず武を見つめる
「そう言う事に、なるよな//;;」
武はの質問に頬を染めながら答える
しかし、武は頬を赤らめながらもを真っ直ぐに見つめ
いきなり頬に触れるとそのまま顔を近づけ唇に触れるだけのキスをした
「なっ////」
「返事・・・は?」
俺の気持ちは受け止めてくれんの?
「私は、武のならなんでも受け止められるよ」
それがボールじゃなくて、武の気持ちでも
はそっと微笑む
その言葉を聞いた武は、小さくガッツポーズをした
「よっしゃッ!」
好きだぜ、
武はギュッときつくを抱きしめる
「また、明日もキャッチボールやろうな」
---END---
終わり方もう不明。てか誰だよコイツ。山本デスカ?