今頃はちゃんとやれてるだろうか
本当にいじめにあってたり・・・なんてことないよな
あと10分か・・・、HR終わったら迎えに行ってやろ
6時間目ももうすぐ終わろうとする頃、
俺は外を眺めながらそんなことを考えていた
今日はろくに授業内容は頭に入っていない
朝のHRが終わってからずっとこんな感じで、珍しく当てられて戸惑った。
「じゃ、今日はここまで」
耳だけ少し傾けていた授業が終わり、先生が教室を出て行く。
それと入れ違いで担任が教室に入ってきて、生徒が座ってないのに早々とHRを始めた。
担任の適当さには時々腹が立つが、今日ばかりは有り難い。
のクラスのHRが先に終わってしまえば、もしかしたら擦れ違いになってしまうかもしれない。
だからそれより早くに行くためにはこの適当さは丁度良い。
担任の諸事連絡を聞き流しながら、鞄の中に最低限の荷物を詰め込む。
これでもういつでも帰れる。
そう思うとタイミング良く「起立」と学級委員長の声がかかった。
「礼」という言葉と一緒に俺の足は動きだし、一番に教室を後にする。
足取りはいつもより軽くて、でもそれを認めたくなくて、
少し恥ずかしい気持ちを隠すように自然と早歩きになった。
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数分しての教室に辿り着いた。
朝のHR中に「2年5組だった!」とメールが送られてきたからそれ通りの教室を覗く。
中を端から眺めていくと、一番後ろの窓際で目がとまった。
そこにはせっせと鞄に荷物を詰めているの姿
声はかけずその姿を眺めていると、に数人の男子が近付いた。
「な、」
ふいに声を発しそうになるのを必死に抑え、
少し乗り出していた身体も元に戻した。
はその男子たちに笑顔を向けて喋っている。
内容は聞こえない。
だからか凄くもどかしい。
なんでよりによって男子と喋ってんだよ。
周りにいくらでも女子いるじゃんかよ。
いつの間にか俺はドアから離れ、一人昇降口に向かっていた。
…誰だよ、あいつら
(なにやってんだ俺・・・)
(俺だって女子と喋ってんじゃねーかよ)
(あー・・・馬鹿みてぇ)