「もしもーし、冬獅郎さん元気ですかー」
「お前、なんだよそれ」
冬獅郎が、他県の学校に行って早一ヶ月、
こうやって電話をする事は、既に日課となっていた
「いやー、いっつも私ばっか話してるからさ、時々は冬獅郎の話聞きたいななんて」
「俺は、まあ、元気でやってるよ」
「そっか・・・。じゃあ、淋しく、ない・・・?」
言おうと思ってなかったのに、つい聞いてしまった
自分が淋しいからって
冬獅郎は頭が良いから、それに合わせた学校に行くくらい当たり前なのに
「淋しくないわけ、ねぇだろうが」
「でも、絶対私の方が淋しいだろうね」
だって私は今もこんなにあなたの事を思ってる
「お前には、わかんねぇだろ?俺の気持ちは」
「うん、そうだよね、顔も見れないしね・・・」
なんでこんな可愛くない事ばかり言ってるんだろう
きっと、今冬獅郎は呆れてる
可愛く、会いたいよって言えれば良いのに
「ねえ、冬獅郎・・・・私・・・」
「電話なんかじゃ足りない」
(ぁ、あぃたいよぉっ、とっしろっぅ・・)
(泣くなよ、ごめんな・・・)
(さみしぃ・・・っ、冬獅郎に会いたい・・・っ)
(俺もに会いたい、今度休みつくって会いに行くから・・・)