「ままぁ〜・・・ぱぱぁ〜・・・ひっく・・」
その頃、叶は崖から落ちたものの奇跡的にもちゃんと意識があった
がしかし、額、両肘、両膝に大きな傷をつくっていた
「いたいよぉ〜・・・っ」
Believe
「ぁ、あそこだよ!」
聖騎は、叶が落ちた辺りを指差した
「叶は・・・?;」
「あの・・・、崖の下・・・」
「っ!?;」
冬獅郎は立ち止まり、その場に聖騎を下ろした
「パパ・・・!?」
「お前は崖の方来るんじゃねぇぞ」
冬獅郎は聖騎の頭を撫でた後、崖を降りていってしまった
「と、冬獅郎は・・・!?」
その数秒後には辿り着き、
一人立っていた聖騎に歩み寄る
「崖の、したに・・・」
「ぇ!?叶崖から落ちたの!?」
「ォっオレがぁ〜〜〜っ!!」
が再び青い顔をすると、に抱っこされていた映護が再び泣き出した
「映護と叶がけんかして・・・、映護がつきとばしたら、うしろが崖だったんだよ」
ぐずぐずと泣き出してしまった映護の変わりに、聖騎が話し出した
「・・・・、どんなことがあっても、手は出しちゃだめだよね?」
はゆっくりと映護を地面に下ろし、顔を覗きこんだ
すると、映護は何度も首を縦に振る
「二人とも、こっち来なさい」
は映護と聖騎を自分の前に立たせ、
パチン
「「ま・・ま・・・?」」
と、二人の頬を叩いた
それとほぼ同時に、の目から涙が零れる
「もっ、もう・・・絶対こんなことしちゃ、ダメだからね・・・っ!」
は、初めて子供を叩いた
それは本気なものではないとしても、初めての行為に映護も聖騎目を丸くしていた
「うわぁ〜んっ、ごめんなさぃ〜っ!」
「ごめんなさいママぁーっ」
二人はぎゅっとに抱き付き、何度も何度もごめんなさい、と謝った
も二人をしっかりと抱きしめ、二人の肩に顔を埋めた
「っ!」
すると、瞬歩を使った冬獅郎が崖から上ってきた
「としろ・・「ままぁあ〜〜〜〜〜っ!!!!」
「叶・・・!」
は映護と聖騎を離し、今度は自分の元にヨロヨロと走ってきた叶を抱きしめた
「もうままにあえないかとおもったぁ〜っ」
「無事でよかった・・・っ」
が叶と話している間、冬獅郎はゆっくりと映護と聖騎に近付いた
「聖騎、映護」
「「ぱっ、ぱぱ・・・」」
映護と聖騎は先程のの行為を思い出し、身体が強張った
コツン
「もう、こんなことすんじゃねぇぞ」
冬獅郎は二人の頭に拳を置くと、そのまま手を広げ頭を撫でた
「ごめんなさいっ」
「ごめんなさい・・・」
「おう、じゃあ手当てしなきゃいけねぇし、帰るか」
冬獅郎は二人を軽々と抱き上げ、の方を見た
「叶、ほらおいで、手当てしに戻ろ」
「ぅん」
も叶を抱き上げると、
再び二人で瞬歩を使い詰所に戻った
---END---
いちお、一件落着!次は詰所での会話かな!
ヒロインも、冬獅郎も、子育てにおいての初めての経験。
やっぱり、手をあげることも大切なのだと思う。
勿論、あげすぎ、虐待なんて絶対に許せないけど。