「いってらっしゃい、晋助」
「あぁ、」
「次は、いつ会えるかね」
「さぁな、だが数年はこっちに戻って来れねぇなァ」
「そっか、浮気しちゃ駄目だよ?まあ期待はしてないけど」
「ふん、テメェは結婚なんてしてんじゃねぇぜ?どっかそこらの男とよォ」
「ん〜わかんないなぁ、淋しくて淋しくてしかたなかったらしちゃうかも!」
私はそういって、多分此処最近の中で一番いい笑顔をつくった
「おい」
「なーに、晋助」
「一つ、良い事教えてやらァ」
高杉は草履を履き終わり立ち上がると、
私をきつく抱き締めた
「身体はなくてもなァ、俺の心は
いつでもお前と、
共に在る。
(もし結婚なんざしてたら、攫いにいってやんよ)
(おい、次ぎ会う時までにその涙は止めておけ)
(そしたら、なんか良いモンをやらァ)
そういい残した晋助の後姿を、私は静かに見送った。