「退、団子食べ行くよ」
「ぇ、ちょ、今俺ミントン中・・・」
「うるさいな、あたしに逆らう気?」
「あーもうわかったよ、行けばいいんでしょ行けば」
俺は少し大袈裟に溜め息を吐いて、近くの縁側にミントンのラケットを置いた
ふと幼馴染の顔を見ると、とてつもなく不機嫌そうで、
もう一つ溜め息を吐いてから彼女の横に並んだ
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「退、その団子ちょうだい」
「え、これ俺が買ったやつじゃん!」
「いいじゃんよ、それ食べてみたいの。コレあげるから」
屯所から少し歩いた所にある団子屋で団子をそれぞれ買って、近くの河原に座って食べる
これは小さい頃からの習慣で、お互い何も言わずこのルートで動く
俺の隣に座ったは、俺の手から団子を奪うと自分のをよこしてきた
「それの食べかけでしょ?」
「別に平気だろー間接キスぐらい。それとも何か?恥ずかしいのか退くん」
「んなワケないでしょ、何回したことあると思ってんの」
俺はのお団子を受け取ると、一つ齧った
その姿を見たはニッと笑う、それから自分もお団子を食べるのを再開した
その笑顔に俺がときめいていることも知らないで
「ねえ、、俺の買ったやつ美味しい?」
「あー、うん、やっぱこれ買えばよか・・んぅっ!?
ちゅっ
「味見・・・なんちゃ・・グフっ!」
ちょっとした出来心(我慢できなかったんだよ!)でキスをしたら、
思い切り鳩尾にの右手がめり込んできた
数秒後の俺は倒れてるんだろうなとか、
顔真っ赤にして林檎みたいとか、
思う余裕はあったりなかったり
いつかキミに
届きますように
(俺が小さい頃から抱いていた気持ち。)
(からしたら兄弟とかに見えてるかもしれないけど、)
(俺の中では昔から世界で一番大切な人なんだよ)