結婚はまだまだ先だなんて、誰が決めたんだろうか。
そう、それは俺の勝手な考えで、あいつはそうじゃなくて。
数日前、
見慣れない手紙が届いていて、何かと思って開けば結婚式の招待状だった。
その封筒の中には嬉しそうに笑ったあいつと、高校時代の先輩が一緒に映った写真も入っていた。
二人が付き合っていたのは知ってた。むしろ有名な話だった。
二人は中学時代から付き合ってて、高校でも続いてて、
もう俺の入る隙間なんて少しもなかった。
でもそれを知りながらも、少しの希望を信じて、俺はずっとあいつのことを好きでいた。
「結婚か・・・・・おめでとう」
俺は自分しかいない部屋でそう呟いて、
招待状を黒いテーブルにそっと置いた。
ああ、さよなら俺の初恋
(大好きだったお前のウェディングドレス姿、見に行くよ)