7月7日、の夜23時、










私は幼馴染の総悟を呼び出した


場所は小さい頃よく遊んでいたブランコと砂場ぐらいしかない公園


私は待ち合わせ時間の少し前に行き、古びたブランコに腰を下ろした





















































「なんでィ、こんな時間に呼び出して」




「あ、遅刻だよ総悟!」




「あー風呂入ってたんでさァ」




「折角7月7日だからさ、天の川でも見ようかな〜って思ったのに」





















待ち合わせ時間5分遅れで、総悟が部屋着のままやってきた


髪がまだ濡れていて、お風呂に入っていたのが本当だと言うことが分かる































「んなこと言ったって・・・」


























総悟は小さく鼻で笑うと、空を見上げた

























































「曇りじゃねぇかィ」




「まあそう言わないの。雲は移動するんだから」




「ふーん」
















見上げた夜空は、けして良いとは言えないものだった


総悟は数秒私の顔を見つめてから、私の隣のブランコに腰を下ろした














「・・・・晴れないかなぁ」




「さぁねェ、昼間は小雨も降ってたからなァ」




「ちょっとでもいいから見たいんだけど・・・」























私はギィギィとブランコを鳴らしながら、


自分の付けていた腕時計を見た







時刻は23時23分







































「そういえばさ、こうやって会うのって久しぶりだよね」




「お互い何かと忙しかったからねィ」




「うーん・・・そうだよねぇ」

































今日私は、言いたい事があって総悟を呼び出した


言いたいことは2つあって、1つは今言えるけど、もう1つはまだ言う事はできない


だから私はあと数十分会話を持たせなければいけない





















「ねぇ総悟」




「あ?」




「総悟と私ってさ、周りから見たらどう見えるのかなぁ」




「急に何言ってンでさァ」


















総悟は少し吃驚した顔をしてから呆れた顔をした


















「そんなモン知るわけねェだろ」



「あ、やっぱり?」



「周りの奴にでも聞いてみたらどうですかィ?」



「い、いや、それはいいや・・・」


















私はそういうと何も言う事がなくなり、


とりあえず地面を蹴ってブランコを漕いだ







































ギィ・・・ギィ・・・ギィ・・・・





































私が黙ると、総悟も黙ったのでブランコの錆びた音だけが響く









































「・・・・・ねぇ総悟」





「なんでィ、今日の変ですぜ?」




「え、そ、そう?」




「あァ、なんかあったんですかィ?」




「い、いや、なんでもないよ、元気元気!」




「・・・・・・」
















総悟は疑うように私をじっと見つめた


私はその視線から逃げるように自分の腕時計に視線を向けた













23時55分・・・・・























もうそろそろ、いいかな
















































「ね、ねぇ総悟・・・?」




「だからなんなんでィ、さっきから・・・」








「あのね、言いたい事があるの」








「・・・?」








「ちゃんと伝えたいから、真剣に聞いてね」




























私はまだ揺れ続けるブランコを数回漕いでから、


動きを止め自然に止まるのを待った































23時59分、






















































「好きだよ、誕生日おめでとう。総悟」






















































00時00分、




















































キラ、キラリ

(あ、雲が途切れた・・・)
(・・・・・、)
(やっぱり、天の川は見えないね)
(・・・そうですねィ、俺も、好きですぜ)
(ぇ・・・?)



2008/07/08 HAPPY BIRTHDAY SOUGO!