いま何してるかな
君も見ているかな
オレンジ色に染まる空を
朝日に変わる夕日を
キズナ
は今幸せにしているだろうか
が他の隊に移動して一週間、俺は只それだけが気になる
「あのね恋次、私好きな人できたんだ////」
ある日、はそう俺に言ってきた
できればそんな事聞きたくなかった
俺はが好きだから
「へぇーそうなのか」
俺は呆気なく返事をかえす
できればそれ以上何も聞きたくない
「あれ?誰か聞かないの?」
「別に、興味ねぇよ」
実際興味はある。でも聞きたくねぇ
「そうなの?でも、恋次は私の幼馴染だから教えておくね」
何かあったら相談乗ってほしいし
はそう言って俺の耳元で呟いた
“私ね、市丸隊長が好きなの”
市丸隊長・・・
「じゃあ、どうすんだ?」
「え?」
「告んのかよ?」
俺は好きな奴の名前よりそっちの方が気になる
「んー分からない、機会があれば頑張るよ」
は笑いながらそう言った
俺とは幼馴染でいつも一緒にいた
でも幼馴染となんかの友情より恋愛感情の方が勝ってしまい
はその何週間後かに異動が決まった
「ゴメンね恋次、いままで言わなくて」
は俺が仕事をしている横で深く頭を下げていた
「別に・・・気になんかしてねぇよ」
頭上げろ、と恋次はの頭を小突いた
「あ、あのね私三番隊に行くんだよ!」
市丸隊長のいる隊に////
「知ってる」
市丸はを前から欲しがっていた
やっと朽木隊長が折れたのだろう
けして朽木隊長を恨んだりはしていない
これはの願いでもあったから
俺にはなにもできない
「そっか、私ねあっちの隊行ったら頑張ってみるよ、市丸隊長に気持ち伝えられるように」
「そうだな頑張れよ」
俺はそう言っての頭を撫でると
はニッコリと微笑んできた
その笑顔が俺は大好きで
誰にも渡したくなかった
でも、もうは俺から離れていってしまう
その現実を受け止め
俺は恋愛ではなく友情をとろう
さえ幸せであればそれでいい
他になにも望まない
だって
ナミダこぼし合って泣いた夜
くだらない話で朝まで笑った日々
こんなにも色々なと俺だけの宝物があるから
「眠れねぇ・・・」
もう夜中の3時なのに・・・
俺は髪を掻き揚げ、布団に潜り込んだ
こんな事ばかり考えているからどうしても夜中まで目が覚めてしまう
もう、考えたって無駄なのに
頭から離れない。あの時のの笑顔
―――――・・・会いたい
でも俺はあいつと会わない
会ったら抱きしめてのすべてを奪いたくなるから
だから、そっと胸に手をあてて
夢の中でまた会える
そう考えると不思議に睡魔が襲ってくる
夢の中だけはあいつは俺のモノ
虚しいかもしれない でも今の俺にとっては
それが唯一の喜びだから
恋次はすぅっと目を閉じた
本当にの夢を見た
俺とは野原にいて なぜだか寄り添っていた
そしては俺に話しかける
「ねぇ恋次、勝手に異動しちゃったの怒ってるの?」
は恋次の肩に頬をあてながら聞く
どこか寂しそうな顔をして
「なんでそんな事聞くんだよ」
「なんとなくだけど、恋次冷たいから」
寂しい
「別にそんな事ねぇよ」
には市丸隊長がいるだろうが
「・・・あのね恋次」
は恋次から離れ立ち上がった
「隊が変わって会えなくってもね、私と恋次はいつも同じ空の下にいるんだから」
キズナは消えないからね絶対 私と恋次はずっと幼馴染だよ?
崩れない 消えないよこれだけは
「・・・」
恋次は私を色々助けてくれたから いっぱい支えてくれたから
今度恋次が辛くなったら私が助けるよ、一生懸命支えるから
辛くなったらいつでも相談に来てね
そうが言い終わると同時に俺は目が覚めた
ゆっくり顔を触ってみるとナミダが俺の手についた
「・・・愛してる」
小さく呟いてみる
絶対に届く事のない想い
でも、こう言う事で俺は前に進める気がする
俺はなにかが間違っていたのかもしれない
の中では友情と恋愛感情ではあまり差がないようで
どっちかが勝っている訳ではなかった
一歩一歩 ただ前へ
一歩一歩 歩幅合わせ
一歩一歩進め前へ
一歩一歩 歩幅合わせ
転びそうなら そう 手をつかめ
は俺の手をつかんでくれる
そこにキズナがあるから
ゆっくりでいい 俺はいつかの手をつかもう
---END---
恋次、お誕生日めでとう。