初夏の季節、あいつが帰ってきた





























「シーロ!元気してたぁ〜?」




「・・・・は、・・・・?」




「んふふ、びっくりしたでしょー!?」























俺の前に突如現れたは、ニンマリと笑って両手を広げた


























「おし、お帰りのハグしよ!ハグ!」



「なっ、何馬鹿な事言ってんだよ!」



「んな恥ずかしがるなって〜!」





「ぎゃっ」





















は3年前、オーストラリアに留学をした


今日帰って来るなんて、誰も一言も言ってなかったぞ?


なんで誰も言わねぇんだよ!





























「ちょ、おい、暑い、離れろ!」




「まったく恥ずかしがっちゃって。ついこの前まで私にくっ付いてたくせに!」




「何年前の話しだっつーの!いいから離せって!」




「ちぇー」



















俺が少し強めにそういうと、は渋々俺から離れた




拗ねたのか頬を少し膨らませて俺を睨み付けてくる


そんな姿が可愛いだなんて、今言ったら爆笑されるだろう






















「俺今日が帰ってくるなんて聞いてねぇんだけど」




「そりゃそうだよ、私が言わないでって言ったんだもん」




「な、なんで」




「なんでって・・・、びっくりさせたいから?


シロ、私がオーストラリア行く時泣きそうだったでしょ?


だからいきなり帰ってきたらどんな反応するかなーって」


















はそう言って、さっきとは打って変わってニヤニヤと笑みを浮かべた


























「別にどうもしねぇよ!で、今後はどうすんだ?」



「こっちの学校に通うよ!嬉しいでしょ〜?」



「なっ、そ、そんなことねぇよっ!」


















俺は自分の頬が熱くなるのを感じた

































「んふふ、シロったら可愛いなぁ〜!」




「・・・・ったく、

















































子ども扱いしてんじゃねぇよ!

(こいつは昔っからそうだ)
(俺のことをいつまでも子供扱いして、)
(いつになっても男としては見てくれない)
(俺の中では、もうずっと前から・・・)