あぁ、外は雨が降り始めたのか
今、何処に居るんだろうか
この雨に、濡れていないだろうか
この雨の中キミは何処へ
さっきまで一緒に居た
でも、もうが座っていた所からはの温もりは感じられない
あんな事、言わなければ良かったと
ただ只管後悔する
今日はたまたま忙しかったんだ
書類が溜まっていた
「冬獅郎ー」
でもいつも通りお前は俺の所へ来て
いつも通り後ろから抱きしめてきた
「どけ」
俺は早く終わらせたかったからにそう言う
こんな台詞はよく言うからも拗ねたりはしない
「いいじゃんー、こうしてるだけだから」
「そんなの後ででいいだろ?今は離れろ」
「いやー」
いつもならは言う事を聞いてくれた
でも今日は何故だか聞かなくて
「邪魔なんだよ」
と、ついきつく言ってしまった
「冬獅郎・・・、今日何の日かわかる・・・?」
はショックを受けたのか目に薄っすら涙が溜まっていた
俺はその光景から目を逸らしながらの言った事を考える
今日は何の日か・・・
「・・・・」
いくら考えても答えは出てこなかった
の誕生日ではないし
ましてや俺の誕生日でもない
「・・・・付き合ってから丁度一年だよ」
はそう小さく呟いた
「・・・なんで・・・、覚えていてくれないの・・・?」
冬獅郎は、私との思い出はどうでもいいの・・・?
は目に涙を溜め冬獅郎をキッと睨んだ
「もう冬獅郎なんて知らない!!」
はそう言うとそのまま部屋を走って出て行った
あぁ、なんで忘れていたんだろう
仕事なんかより
が一番大切なのに
外の雨が、少し強くなった
---END---
雨嫌だなー・・・・