私には、苦手な人がいます
怖い彼
苦手って言うか、怖いです
口癖が、『噛み殺すよ?』のあの人
風紀委員の雲雀 恭弥さん・・・
は横目で雲雀を見る
雲雀とは同じクラスで何故だか席がいつも隣
仕方なく、はできるだけ雲雀と机を離している
「はぁ・・・」
「なに溜息吐いてんの?」
がなんでいつも席が隣なんだろう、と思いつい溜息を吐くと
それを見た雲雀が机に肘をつきながら聞いてきた
「えぇ!?あ、すいませんッ!!;」
ヤバッ、目付けられた!?
「なんで謝んのさ」
キミなにもしてないでしょ
雲雀は小さく溜息を吐きの顔を覗きこむ
「で、なに溜息吐いてんの」
「ぇ、いや、なんとなく・・・;」
なんで席が隣なんだよ!なんか言ったら絶対怒られる;
僕が気に入らないの?とか言ってさーーー!!
は心の中で葛藤し頭に浮かべていた言葉を飲み込んだ
「キミ・・・馬鹿?」
「はい、すみません」
「否定しなよ」
雲雀はそう言って少し間を置くと再び話し出す
「もしかしてさ」
雲雀はそこまで言っての顔をじっと見つめる
「はい!?」
はあまりに緊張して声が裏返ってしまった
「気付いてないの?」
「は・・・・?」
何の事ですか・・・?
の頭にはその言葉が浮かんだ
「僕が・・・」
雲雀ははっとして少しだけ頬を赤らめる
「??」
雲雀さんがほっぺ赤くしてる!?
め、珍しい!!
は雲雀の顔を興味津々そうに見つめる
雲雀はその視線が恥ずかしいらしく
の目を塞いだ
「きゃっ」
「見ないでよ」
そうしないと噛み殺すよ、と小声で付け足した
にはそれがちゃんと聞こえ
は目を固く閉じた
「それにしても、まだ気付いてなかったんだね」
キミ鈍過ぎ
「ぁ、あの、何の事ですか・・・?」
さっきから雲雀さんの言ってる事が全然わかんない
私なんか雲雀さんにされたっけ?
「これ罰ね」
雲雀はの事を完全無視し
目を塞がれたままのにキスをする
「っ//!?」
「早く、気付いてよね」
雲雀はそっとから手を離し立ち上がる
は何が起こったのかが理解できず
空いた口が塞がらなかった
雲雀さんの言っていた事は・・・
アレかな・・・?
雲雀さんは、私の事が・・・
---END---
補足。あれね、なんでヒロインと雲雀が席いつも隣ってのは
雲雀がね、仕組んじゃってんのネ。例えば・・・
くじでヒロインの隣が自分じゃなかった場合は、ヒロインの隣の男子をボコしたり。
とにかくヒロインの隣を死守したい雲雀君なのね。嗚呼、可愛いじゃないの。