「いいか高杉、今日中にだ。もし今日無理なら諦めろ」
「ちょ、ちょっと待て銀時。どう考えたってそりゃァ・・・無理だろ」
「甘えてんじゃねェェエ!甘いのはお菓子だけでいいんだよッ!」
ガタンッと、銀時は思いきり立ち上がり自分の座っていた椅子を倒した
「ぉ、おい銀時落ち着けよ・・・、俺が悪かった」
「ったく、いい加減覚悟決めろよ、ダラダラ長引かせてんじゃねえ」
銀時は高杉を見下しながらそういうと、
ハァとわざと大きな溜め息をついてから座りなおした
銀時と高杉がいる場所は学校の図書室
今は授業中でそこは二人以外誰もいなく静まり返っている
机の上にはいくつもの空になったお菓子の袋と煙草の吸殻、
そして山積みにされたいくつもの本
タイトルには恋やら愛などの単語が確実に入っていた
「今まで女なんて気になったらすぐ手ェ出すお前が、どうしたんだかなァ」
銀時はお菓子に飽きたのか高杉が灰皿に置いていた吸いかけの煙草を口に銜えた
「うるせぇ・・・今までの女とはちげーんだよ」
高杉は頬杖をつきながら呟くように言った
「糖分が足りねぇ時に飴くれたんだっけか?」
「ちげぇ、お前と一緒にすんな。煙草切れててイラついてた時だよ」
「あんま変わんねぇじゃん」
ふぅ、とゆっくり銀時は白い煙を吐いた
煙はゆらゆらと漂いながら、消えていく
「ま、冗談はそんくらいにしといて、取り敢えず今日中だから」
「銀時無・・「もうこれは変えねえからな」
「はあ・・・」
高杉は肩をガクリと落とす、
それを見た銀時はニヤニヤと笑いながら椅子を引き立ち上がった
「今日中に言わなかったら俺が言ってやるよ、告白」
「それだけはやめろ」
「んじゃあ頑張れ。ほらよ」
銀時はベージュのカーディガンのポケットから何かを取り出すと高杉に投げた
「チュッパチャップス・・・」
高杉はそれをうまくキャッチすると、まじまじと受け取ったものを見つめた
手の中に入ったのは、2本のチュッパチャップス
「幸運の飴・・・なんちってー。まあそれで頑張れよ〜」
銀時はそう言うと手をヒラヒラさせながら図書室から出て行った
高杉はその背中を見送ると、溜め息を吐き机に平伏した