「あぁあああああああっもう一生見ないんだからぁあああっ!!」
「おいお前周りの目を少しは気にしろよ」
「今日トイレいけない!もう帰って寝るしかないィイイイイ!!」
「はあ・・・」
あれから2時間半。
私はホラー映画に完敗。
半分もちゃんと見れていない。
「取り敢えず、飯食うか・・・」
「お母さぁあああっうげっ、苦しっ・・・;」
「いつまでも煩ェんだよ、行くぞ」
高杉君は私の首根っこを掴みながらレストラン街へ向かった
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「おい、落ち着いたかよ」
「・・・・ぁ、うん、ありがとう」
私はコーヒーの入ったカップから口を離すと小さく頷いた
入ったお店はイタリアンで、
私はミートソーススパゲッティ、高杉君はカルボナーラを注文した
「俺も悪かったな。お前がそんなに苦手だとは思わなかった」
「いや、いいんだけどね・・・楽しいしさ」
「そういうことは俺の目を見て言え」
高杉君はニッと笑いながら言うと、ふとフォークを置いて自分の左手を触った
「おい、コレやる」
「え?」
高杉君はテーブルの上に何かを置くと、またフォークを持った
置かれたものは、高杉君の小指に嵌められていた王冠の指輪
「俺が小指に嵌めてたから、薬指辺りに嵌んだろ。嵌めてみ」
「で、でも悪いよ!どうせまた高いでしょコレ・・・」
「いいんだよ、好きなんだろ?コレ。それに俺は今日新しいの買ったし」
「そ、そうだけど・・・」
カタリ、といつの間にか空になった皿にフォークを再び置いた高杉君は、
私の左手を掴んで薬指に指輪を嵌めた
「いいから嵌めとけ。・・・それに」
「それに・・・・?」
「これで俺のモンだ」
忠犬が主人に
マーキング
(高杉君、私モノじゃないんだけど・・・)
(・・・お前、ツッコミそこかよ)
(ぇ?なんか間違ってる・・・?)
(・・・はぁ、いや、なんも間違ってねぇよ)