「ボスゥー」
「どうした」
「頭クラクラするー」
突然がザンザスの部屋にやって来ると
そう言ってその場で倒れてこんだ
ザンザスは吃驚して椅子から立ち上がるとに近寄り
抱き起こして額に触れてみると、とてもは熱を発していた
そして、ザンザスはをお姫様抱っこの様に抱き上げると
自分の寝室へ向かった
「・・・・んーぅ」
「どうした、苦しいのか?」
「ぁ・・・れ?ボス・・・?」
暫くして、は目を覚まし目を擦りながら起き上がる
「まだ起きるな寝てろ」
「ぁ、ごめんなさい、ってなんでボスまで寝てるんですか!?しかも隣で!!!」
は反射的に謝るが、直に異変に気付き声を上げる
それもその筈、いつもならどんなにせがんでも一緒に寝てくれないザンザスが
今は何も言わず横に寝ていた
「はっ、これは俺のなんだから別にいいだろ」
ザンザスはそう言うとが寝ていた枕に自分の右腕を伸ばすと
再びに横になるように左手での肩を押した
「ぇ、あの、この腕は・・・////」
「何も考えずにいいから寝ろ」
「は、ぃ・・・////」
はゆっくりと体勢を崩していき
頭がザンザスの腕に触れるとギュッと目を瞑った
腕枕なんて、久しぶりだなぁ
は目を瞑りながらふと過去を思い出す
私は小さい頃からヴァリアーにいたから
ボスは殆どお兄さんみたいな存在だった
小さい頃からボスはこういう性格だったから
あまり一緒には遊んでくれなかったけど
寂しい時とか、私が泣いている時はいつも傍に居てくれた
その時はいつも、こうやって腕枕をして一緒に寝てくれたんだ
は一つ寝返りを打ち、ザンザスの方を向く
ザンザスは既に眠っているのか、小さいが寝息を立てていた
「綺麗な顔・・・」
ボスは私のこと、きっと恋愛の対象にしてくれてないと思うけど
私はずっと前からボスのことが好き
レヴィなんかに負けないくらい好き
はそっとザンザスの頬に触れ
身体はモゾモゾとベッドの中で動き、ザンザスの身体に密着させた
「いつか気付いてくれないかなぁー・・・」
「何をだ」
「何って、私の気持ちですよ・・・って、ボス!?//」
「の気持ち・・・?」
が呟いていると、いつの間にかザンザスは目を覚ましており
眠たそうな顔をしながらもに言われた事を考えていた
「・・・・だったらお前も俺の気持ちにさっさと気づけ・・・」
「ぇ・・・?んぅっ!?////」
ザンザスはそう言うと、ぐぃっとの頭の下にあった右腕を自分に引き寄せ
を抱き寄せると、唇にキスをする
は少し苦しくなると離れようとしたが
頭を右手で押さえられていたため、長いキスとなった
「・・・・っはぁ、くるし・・・////」
「これでわかっただろ・・・明日からは・・・覚、悟しと・・・け・・・」
やっと開放されたは大きく息を吸い肺に酸素を取り入れる
その間に、とうとうザンザスは重たかった瞼を完全に閉じてしまった
どうしよう、心臓がバクバクいってる
きっと今日は眠れない
は自分の左胸を押さえながら窓の外を見た
「あ、満月だ」
満月の中で崩れた関係
(相互記念哀華様に捧げます。これから宜しくお願いします。)