卒業式の季節
私の学校も、今日無事に卒業式が終わった
4月からはみんな別々の道を行く
そして私と冬獅郎も
別々の進路へと進む
またいつかこの桜の木の下で
「うっ・・・ひっく・・・うぅ」
「いつまで泣いてんだよ」
「だっ、だってぇ・・・」
と冬獅郎は卒業式が終わると二人肩を並べて家へ帰る
はさっきからハンカチを握り締め、肩を震わせ泣いていた
「な、涙が・・・っ、止まんないんだもん」
はそう言って真っ赤になった目で冬獅郎を見る
その目を見て冬獅郎は小さく溜息を吐くと優しくの手を握った
「・・・ちょっとあそこ寄ってくか」
「?」
冬獅郎はそう言ってに向かってニッと笑い
くるりと身体を反転させ
さっき歩いていた道を歩き出す
「冬獅郎・・・?」
は不思議に思いながらも冬獅郎の後をついて行った
「やっぱまだ咲いてねぇか」
数十分後、冬獅郎とは町の中で一番多きな桜の木の下に来た
桜はまだ所々咲いているだけであまり見栄えは良くない
「冬獅郎・・・此処・・・」
私達が初めて会った所・・・
「なんだ覚えてたのか」
「忘れるわけないじゃん」
あの時だって、私は泣いていた
「初めて会った時からお前泣いてたよな」
「あの日は小学校の卒業式だったんだもん」
あの時は只友達と離れるのが嫌だっただけだけど
「冬獅郎」
「あ?」
「学校、離れちゃうね」
今は違う
一人の人、冬獅郎と離れるのが辛い
はまた目に涙を溜め
声を震わせながら冬獅郎に聞く
「あぁ、そうだな」
冬獅郎は短く返事をしてに微笑む
「他県に・・・行っちゃうんだよね・・・」
「あぁ」
の目からは重さに耐え切れなくなった大粒の涙が
頬を伝い次々と流れ始めた
冬獅郎はその涙を指で優しく拭き取る
「学、校の寮で暮らすんでしょ・・・?」
「月に何回かは帰ってくる」
「でも、寂しい時に会えない」
「そしたらメールでも電話でもしろよ」
一晩中でも、ちゃんと付き合ってやるから
冬獅郎はの涙が全部拭き取れなくなり
抱きしめ、自分の服にの目をくっつけた
「ちょ、冬獅郎・・「もう、いい加減泣きやめ」
お前だけが、寂しいんじゃねぇんだ
「俺だって、と別れたくねぇよ」
お前鈍いから危なっかしいし
何より、俺の見ていない所で他の男共といるのが不安なんだ
冬獅郎はの肩に顔を埋める
「私だって、冬獅郎が他の女の人といるのなんて嫌だよ」
「だったら、約束しようぜ」
冬獅郎はそう言うと顔を上げ真っ直ぐを見つめる
「まずは、絶対浮気すんな」
「それは冬獅郎もでしょ」
「あぁ、分かってる」
冬獅郎は小さく笑うとの頭を撫でた
「それから、また3年後、この桜の木の下で会おう」
高校卒業したら俺また此処に戻ってくるから
それまでの少しの間、しょっちゅうは会えねぇけど
さっき言った様に月に何回かは戻ってくる
「だから、一つの区切りとして会う時に、桜の下で」
「うん、わかった」
は目を擦ってからニコリと笑い
冬獅郎にそっと口付けする
少しの間、寂しいけれど
また3年後
私と冬獅郎が初めて会ったこの桜の木の下で
---END---
いや、もう卒業式終わっちゃってるよね!?普通。
でもまだ書いてないなー;;とか思って・・・
急いで書いたから微妙だな・・・;;;