あぁ、まただ




















またあなたが夢の中に出てきた










そしてまた、




















目覚めると私の頬には涙が伝った跡


























何故あなたは夢の中だけに

























いつもあなたは夢の中だけ




だから、いつの間にか私は夢を見る事が好きになった




そしていつの間にか



夢見る前にあなたの事を想うと




必ず夢の中に出てくるようになった




































ランチア・・・













































































夢は、毎回同じ夢

























ランチアは原っぱの木陰の下で寝ている私の横に座ってて



名前を呼んで、優しく頬を撫でてくれている






「なぁに、ランチア」






私は頬に触れているランチアに触れながら


ゆっくりと、返事を返す















私はマフィアのボスに拾われた



彼は孤児だった私を育ててくれた



そしてランチアと出会わせてくれた










「幸せか・・・?」










私はボスにはとても感謝してる


ランチアもそう








私とランチアは少し年は離れていたけど






何時しかお互いに惹かれていった















「うん、幸せ」















私が小さく頷くと


ランチアは嬉しそうに笑ってくれて


そっと唇に口付けしてくれた




































でも、口付けが終わると










私からはもうランチアに触れる事はできなかった


何故だか分からないけど、触れようとするとランチアの身体をすり抜けた




















「ランチア・・・ッ!!」




















私は不安で、必死にランチアの名前を呼ぶ






でもランチアは返事をしてくれなくて


ただ私の頬を、優しく撫でるだけ




































そして、私は夢から醒める




































目が覚めて、上半身を起こして自分の頬に触れると


まだ乾いていなかった涙が手につく




















そして、月の光の中




















は窓の外を見つめてからゆっくりと目を閉じる




































現実であなたに会いたい