家に帰ると、いつもはいないお母様がいた
お母様は村で妖怪退治の仕事をしていて、
忙しくってなかなか帰ってこない、筈なのに・・・
「お・・・母様・・・?」
私が小さい声で呟くと、
お母様はゆっくりと振り向いた
鬼の面
「」
お母様は私の名前を呼ぶと、私の方へとゆっくり近付いてきた
「今まで、何処に行っていたの?」
「ぇ、・・・森に・・・、ご飯の材料を採りに行っていたんです・・・」
私は冬獅郎のことは言わなかった
冬獅郎は不思議な子だったから、
なんとなく、言えなかった
「じゃあ、そこで会っていた男の子は誰なの?」
「ぇ・・・」
私はお母様が言った言葉に目を丸くした
なんで冬獅郎のことを知っているの・・・?
誰にも言っていないはずなのに・・・
「なんで知っている、って顔をしているわね」
「・・・・」
「見た人がいたのよ、と見かけない男の子が一緒にいた所を」
お母様はそう言って私の頬を優しく撫でた
「誰でも良いけど・・・、もうその男の子と会うのは止めなさい」
「ぇ・・・?何言っているのお母様・・・?;」
「その男の子は、人間じゃないわ」
お母様が言っている意味がわからなかった
確かに冬獅郎は不思議な子だけれど、どう見たって人間なのに
お母様は、会ってもいないくせに・・・
「あなたのにおい、・・・人間のにおいに、違う、人間ではないにおいが混じっているわ」
「そんな・・・嘘です、違いますよお母様」
「いいから、もう男の子に会うのは止めなさい」
「嫌ッ!冬獅郎は人間なんです!!!」
「いい加減にしなさいっ!!」
パシンッ
と、乾いた音が響く
少しして、自分の頬がヒリヒリとし熱を持ったのがわかった
「私は、妖怪退治をしているのよ?人間と妖怪の区別がつかない訳がないでしょう」
「っ・・・」
「あなたのためを思って言っているのよ、。もう会うのはやめなさい」
「・・・・ぅそ・・・」
私はその場に膝を付いた
叩かれた頬がジンジンと痛み、涙が込み上げてくる
でもそれと同時に、お母様の言っている事を信じたくなくて
反抗したいのにできないという悔しさの涙も込み上げてきた
CONTINUE.
*12月20日、日番谷冬獅郎誕生日夢*
もう少し、続きますです。