私はその後もお母様に抵抗をした
そのせいで
今私の両手には重たい鎖
足にも同じようなもの、そして
その端は壁に埋め込まれていてある範囲以外は歩く事ができない
私はお母様に、外に出る事が出来ないようにと監禁された
鬼の面
もうどれくらい経つだろうか
一週間・・・二週間・・・一ヶ月・・・?
もう時間の流れさえわからない
どうしてお母様は此処までするの?
なんでそこまで冬獅郎を嫌うの?嫌がるの?
会ったこともないくせに・・・
お母様が憎いと、生まれて初めて思った
そして、冬獅郎に会いたい
「・・・!」
そんな事を思っていたら、幻聴さえ聴こえてきた
「!おい、返事しろよ!」
「冬・・・獅郎・・・・!?」
でもそれは幻聴なんかではなくて、本物の冬獅郎だった
監禁されている部屋には、天井近くに窓があった
人ではなかなかとどかない様な場所に・・・、そんな所の窓から冬獅郎が入ってきた
「お前暫く来ないと思ったら・・・なんだよこの鎖」
冬獅郎は私についている鎖に触ると不思議そうに尋ねた
「冬獅郎、早く出て行って・・・っ、早くしないと誰かに見つかっちゃう」
「・・・・何言ってんだよ;」
「お母様に見つかったら、冬獅郎殺されちゃうよ!」
私は声を荒げて鎖を触っていた冬獅郎の手を振り解いた
「なんで、俺が殺されなきゃなんねぇんだ」
「それは・・・・っ」
私は言おうか言うまいか迷った
もし冬獅郎が本当に妖怪だったら・・・
もう妖怪だと知ってしまった私には会ってくれないんではないか
もしかしたら、食われてしまうかもしれない
「ぉ・・・お母様が・・・、冬獅郎は人間じゃないって・・・」
「の、母親は何やってんだよ・・・」
「ぁ、私のお母様は妖怪退治を・・・」
私の目からは涙が溢れた
冬獅郎と会えなくなるなんて、嫌だ
私は、冬獅郎のことが好きなんだ
「・・・・そうか」
冬獅郎はそう呟くと、くるりと私に背を向けた
「冬・・・、獅郎ぉ・・・?」
「じゃあ、俺行くな」
「ぇ・・・?」
「バレちまったし、もう嫌だろ?」
妖怪なんて、人間は嫌いじゃないか
冬獅郎は少し悲しそうな顔をしながらそう言うと
ゆっくりと入ってきた窓の方に歩き出した
「待って冬獅郎!私は、冬獅郎のことそういう風に思わない!」
思える訳がない、だって私は冬獅郎のことが・・・
「私は、冬獅郎のこと好きだもの・・・ッ!」
私が涙をポロポロと零しながら言うと
冬獅郎はゆっくり私の前へと戻ってきて、そっと私の頬を撫でた
「俺は、妖怪・・・・鬼だぞ・・・?」
「そんなのっ、関係なぃ・・・っ」
「でもお前は母親に逆らえないんだろ?」
「どうにか、するっ・・・!冬獅郎といたいよっ」
私はそう言うと冬獅郎を抱きしめた
ジャラリと、重たい鎖の音が部屋の中に響き渡る
CONTINUE.
*12月20日、日番谷冬獅郎誕生日夢*