「た、高杉く、くん!」
「あァ?なんだよ」
振り向いたと同時に、少し握る力が強まる手
私より10センチぐらい背の高い高杉君は、鋭い目で私を見つめた
「ぁ、あの、どこまで送ってくれるんですかね・・・?」
「そんなの家までに決まってんだろ、次どっちだ」
「み、右です!そこのコンビニの所を・・・って家までっ!?!?」
私は高杉君を見上げながら大きな声をあげた
「なんか不味いのかよ・・・」
あ、ヤバイ不機嫌になっちゃった!;
「い、いいんですけど・・・、ですけど・・・!;」
「なんだよ、はっきり言いやがれ」
高杉君は機嫌が悪いせいか鞄から煙管を取り出して吸い始めた
今時煙管なんて珍しい、なんか変なのー
「ぁ、あの、いいんで、すけど、その・・・手を・・・離して・・・」
「お前、俺と手を繋ぐのが嫌ってことかよ・・・」
ちょっっ、そそそそんな寂しそうな顔しないで下さいよ・・・!
可愛いじゃないですか!不覚にもキュンときちゃうじゃないですか!
「違います!でもほら付き合っても無いんだし・・・近所の人達に噂とかされちゃうし・・・」
「なんだ、そんなもん勝手に言わせとけ。俺には関係ねェ」
「オォオオオオオオオイイィイイイッッ!!どんだけ俺様ァァアアアッ!?!?」
あ、ヤベ、つい学校の癖で叫んじゃった
近所迷惑だな自分・・・;
「まァいいだろうが、そんな噂ならよォ」
「良くないですって!;ってもう着くんですけど!」
「尚更いいじゃねぇか」
高杉君は鼻で笑うと機嫌が治ったのか私の手を再び強く握った
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「ぁ、あの、も、もうそこです」
「ふーん」
「ぇ、ちょっとなんでそんな楽しそうな顔してるんですか」
私達はそういいながらも歩き続けて、
とうとう家の前まで辿り着いた
「じゃ、じゃあ有難うございまし・・・って、え・・・?」
私が門を開けてお礼を言っていると、
何故か私の横を通り過ぎてゆく高杉君
ピンポーン、
お邪魔しまーす!
(えぇえぇぇえええええ!?!?!?)
(あらー?どなた様ー?)
(あ、すみません、さんと付き合せていただいてます高杉です)
(ちょ、ちょっと高杉くんんんんっ!?!?!?)