「ぁ、ね、ねえ冬獅郎!;」
「あ?どうした」
「ぁの・・・、ううん、なんでもない」
「?」
はそう言って俯きながら詰所を出て行った
Believe
「絶対無理・・・」
言えっこない
だって、まだ結婚してそんなに経ってないんだよ!?
それなのに妊娠だなんて・・・
冬獅郎嫌がるかもしれない
離婚しろ、なんて言われたらどうしよう!!;
は詰所を後にすると、
一人そんな事を考えながら廊下を歩いていた
こんな時、ならなんて言ってくれるだろう
言え、って言うだろうな・・・
「はは、またに頼ってる・・・」
は空を見上げながら小さく笑う
「本当に、は今見守っててくれてるのかな・・・」
そうしたら、やっぱりちゃんと言わなきゃ
ちゃんと言って、生まなきゃ、この子を
はそっと自分の腹に触れる
そこにはまだ外側からは中にいると全然分からないが
確実に、生命の命が作られている
「冬獅郎に・・・、言わなきゃ」
はそう決心すると、くるりと逆方向を向き、詰所に戻った
「おい松本」
「なんですか隊長?」
「の様子がおかしい」
「はい?」
その頃、冬獅郎は仕事を一区切りし、休憩をとっていた
「さっき声かけてきたくせに何も言わないで詰所出て行ったんだ」
「もしかして・・・まだ言ってないのかしら;」
「!? 何をだ松本」
「ぇ、あ;;そ、それは、私の口からじゃなくて絶対の口から聞いた方が良いです;」
「ちっ」
冬獅郎は舌打ちをすると、湯飲みを置き立ち上がり
詰所から出て行った
「なんで早く言わないのかしら・・・」
隊長は嫌がったりしないと思うけど
乱菊は自分の湯飲みを持ち、一口の見ながらそう思う
なんて言おう
子供が出来ちゃったの☆、
できちゃった・・・v、
子供ができてしまったのでござ・・・絶対違う
「はぁ・・・」
は戻る事を決心したのは良いものの
どういう風に冬獅郎に伝えようか迷っていた
「こんなんじゃ、やっぱり言えないよ・・・」
「何を言うんだ?」
「あ゛、冬獅郎;」
が小さく呟いた言葉は
丁度正面から歩いてきた冬獅郎の耳に届いていた
「な、なんでもな・・「い訳ねぇだろ?」
は慌てて振り返り、その場から逃げようとしたがそれは叶わず、
右手を冬獅郎に掴まれた
「ちゃんと聞くから話せよ」
「・・・うん、あのね・・・」
言おう
平気、冬獅郎なら離婚だ、なんて言わない
きっと喜んでくれる
はそう自分に言い聞かせる
「ぁ、あのね!・・・私、妊娠・・・、したの」
「妊娠・・・?」
「うん・・・」
が冬獅郎を見ながら頷くと
冬獅郎は何やら黙り込んだ
「・・・・妊娠、か」
「ぅ、うん・・・?」
どうしよう!やっぱり嫌だったのかな!?
言わなきゃ良かったかも;
「・・・・・ってお前なんでそんな大切な事言わなかったんだよ!!!」
「へ!?」
「普通分かったら一番最初に報告する相手だろ?俺は!なんで松本のが先に知ってんだよ!」
「だ、だって乱菊さんは一緒にいたから・・・」
がしょぼんと俯きながらそう言うと
冬獅郎は小さく溜め息を吐き、を抱きしめた
「・・・嬉しい」
「ぇ・・・?」
「お前との子供」
「ぅ、うん////」
冬獅郎はの頬に触れるだけのキスを何回かして
離れるとの腹に触れた
「男と女・・・、どっちだろうな」
「ぁ、私冬獅郎似の男の子がいいな!」
「男は母親に似るんじゃねぇの?」
「ぇ、そうなの!?」
「でも俺は似の女の子がいい」
そんな話をしてから、冬獅郎は優しくの腹を撫でた
はまだわかんなよ、と笑い
冬獅郎もそうだよな、とつられて笑った
---END---
さてはて、ヒロイン言えました。
それにしても子供の性別どうしようかな。
獅馨哉はヒロインの意見に賛成です。
冬獅郎似の子が良い!!
もうぎゅーってしたい!ぎゅーって!!