まだ咲き誇らない桜




















この中途半端な中、先輩はここの学校を去ってしまう




















そして、桜が満開の頃、

























新しい、私の後輩となる子達が入ってくる


























桜色の笑顔

























「先輩こんにちは!」





「おう、久しぶり」













私がコートから出てしまったボールを拾いに行くと、




そこに丁度日番谷先輩が来た














私はバスケ部で、日番谷先輩もバスケ部








中学でも日番谷先輩とは一緒で、



日番谷先輩のバスケをする姿がとてもかっこよくて、憧れて、



それでバスケ部に入って、高校も先輩と同じところに行きたくて



沢山勉強して、合格して、そしてまたバスケ部に所属した















「今日は部活出るんですか?」





「あぁ、もう俺は受験終わったんだよ」






















でも、それももう終わりで、










日番谷先輩は終わったみたいだけど、今は受験シーズン








もう少しで、先輩はこの学校からいなくなってしまう








流石に、大学までもは将来に係わるからついていくことはできない




















「確か先輩ってかなり頭良い所に行くんですよねー?凄いです」




「そうでもねぇよ;だって頑張れば入れるようなレベルだぜ」















先輩は、国立の学校に行く




流石に私はそこまで頭は良くない






だから、ついていこうとしたって、絶対に無理




















「そんなことないですよ!大学でも頑張って下さいね!じゃあ私戻ります!」




「おう、サンキューな」










私はそう言ってキュッとシューズを鳴らしながらコートの中に戻った









先輩もユニフォームに着替えると、空いているゴールを使って練習を始めた










どうしてもそっちに目がいってしまって、集中が出来なかった





























何回見ても、どっから見ても、かっこよくて






やっぱり大好きなんだな、と自覚する















そんな先輩とも、もうすぐお別れ



















私は先輩の練習の姿を見ながら、あることを決意した








































先輩に、この想いを伝えよう





































長い長い片思いから、卒業しよう、と











































































3月9日、










あの日からまともに日番谷先輩と話すことができなくて、卒業式の日になってしまった






























私の学校は卒業式には全学年が参加する形で







卒業証書授与の時、生徒の代表で日番谷先輩がステージに上がった















いつもとても綺麗に制服を着こなしていて、



それすらにも憧れていた











ステージ上の先輩はやっぱりかっこよくて、



バスケをやっている時とはまた別のかっこよさ





本当に今日で最後なのだと、






私は先輩がステージから降りると同時に少し涙した



















































「先輩!」





?」










卒業式も無事終わり、卒業生達は体育館外に出ていた



私は急いで体育館から出ると、日番谷先輩の後姿を見つけ声をかけた















「卒業おめでとうございます!」










「おう、ありがとうな」
















私は先輩の正面に行くと、ギュッと自分のカーディガンの裾を握った

























先輩に、想いを伝えなければ・・・






























「ぁ、あの、私のこと忘れないで下さいね!ぁっ、勿論バスケ部のみんなも・・・!」




「あぁ、忘れねぇよ、絶対」










ふと、日番谷先輩の制服のブレザーに目がいった



そのブレザーはボタンが全部なくなっていて



いつもの綺麗な制服ではなくなっていた















「・・・・・ボタン」










「あ?あぁ、外出た瞬間に色んな奴等に持ってかれちまって・・・;」















日番谷先輩は少し呆れながら頭を掻いた






「先輩ったら・・・、モテますねー」










少し、先輩の人気を甘く見ていた


先輩は私が憧れて好きなように、


色んな女の子から好かれていてモテる









もしかしたら、もう誰かから告白されて、OKを出しているかもしれない




















「んなことねえよ、それに俺はそんなこと興味ねぇし」




















私が泣きそうになって俯いていると、



日番谷先輩はポケットに手を突っ込み、中から何かを取り出した




































「ちゃんと、これは死守したんだよ」




































日番谷先輩は笑いながら、私にそれを差し出した




































先輩の手の上には、一つのボタンと、制服のネクタイ




































「ぇ・・・?」




「これは、に貰ってほしい。いらねぇとかいうなよ?」















日番谷先輩は手に持ったそれを、私に押し付けるように渡した




































「俺、のことが好きだからさ」







































私の目からは自然と涙が流れた















予想外な、言葉






自分が言おうとしていたのに、






先輩に先を越されてしまった






























「まさか同じ高校に入ってくるなんて思わなくてビックリしたんだぜ、が入学してきた時」























私の涙を見ると、日番谷先輩は少し困った顔をし笑いながらワイシャツで私の涙を拭ってくれた










「またバスケ部にも入るし、最初練習中なかなか集中できなかった」






「せんぱっ・・・ぃ」






「泣くなよ、俺そういうのの対応慣れてねぇんだよ」










「ぁっ、ぁたしも先輩のこと好きです・・・っ!」




















私は日番谷先輩に抱きついた




先輩は少しビックリしたようだったけど、すぐに背中に手を回してくれた





































「泣くから、フラれるのかと思った」





「そんなこと・・・っ、私にはできませんっ」





「ありがとな、















初めて呼ばれる自分の名前





その声は優しくて、落ち着いていて、私の耳の奥に響いた


























「それにしても、顔真っ赤」




「日番谷先輩だって、人の事言えませんよ」




「それもそうか。てか、名前で呼べよ、俺も呼んだんだから」




「・・・・冬獅郎」





















私がまた少し顔を赤くしながら先輩の名前を呼ぶと、




先輩は嬉しそうに笑った






私も、それにつられて笑顔になる






































まだ咲き誇らない桜















でもその下では





















桜色に染まる二つの笑顔




















---END---

えーっと、相互記念を下さりました、森下奈緒様に捧げます。

相互記念絵、かいて下さるなんて嬉しかったですー。

こんな夢ですが、宜しければ貰って下さい^^;





森下様だけお持ち帰り可能。