<
font size="2">「おい、お前いい加減にしろよ」
そう言って部屋に入ってきた晋助は、
ほんのり額に汗を滲ませて、頬を紅らめて、、、
・・・・・・なんかそう言うと情事中の人みたいだけどね。
「おー、おじゃましてまふ」
それを出迎える形となっているあたしは、
堂々と人のベッドに寝転がり、アイスを咥え、
そこら辺にあった男性誌を読んでいた。
「まふ、じゃねえよこのクソ女」
「あがっ、ちょ、アイス返せ!」
「元は俺ん家のモンだろうが」
「おばさんがくれたんだもん、もうあたしの!」
私が咥えていたアイスを引っ張り取った晋助は、
パクリとそれを一口かじった。
「あ、間接ちゅー!」
「あ?何言ってンだ今更」
「しかもそれ多分あたしの涎かなりついてるからディープだよね」
「ぶっ、」
私がニヤニヤしながらそう言うと、
晋助は口に手を当ててそっぽを向いた。
多分、生々しく想像したんだろうな。
「・・・・・・テメェ、変なことばっか言うんじゃねぇよ」
「だってホントのことだし」
「つかそうだ、お前、いい加減俺いないのに部屋入ってんな」
晋助は残りのアイスを食べ尽くし、棒を捨てると、
汗をかいて少し張り付いていたTシャツを脱ぎ始めた。
相変わらず引き締まった身体で、不覚にもドキッとしてしまった。
ま、言わないけどね。だって気持ち悪がられるだけだし。
「今更じゃん」
「今更って前から言ってんのにお前がきかねぇんだろ」
晋助は脱いだTシャツを放り投げ、近くにあった黒いタンクトップを着た
そしてドシッと私が寝ているベッドに腰掛ける。
「それとも・・・アレか?オメー俺に襲われんの待ってンの?」
「はい?」
気付いたときには目の前に顔があって、
唇が触れたのに気付くのは、また少し後だった。
ソーダ味のくちびる
(こういうこと、待ってたんだろ?)
(……ぶっ、)
(あ゛、テメ、何口拭いてンだよ!!)