「冬獅郎は今日もかっこいいねー」
「は?」
こいつはいきなりこういう事を言うから、対処に困る
「は?じゃないよ、かっこいいね、って言ったの」
「んなんわかってる」
「じゃあ尚更、は?じゃないじゃん」
俺はなんでそんな台詞が急に出てきたかが不思議だったのに
こいつにはそれがわからないらしい
「ああそうだな、で、なんでいきなりそんな事言うんだよ」
「あ、今流したな、馬鹿にしたな」
「してねぇよ」
俺がそういうとは少し疑いの眼差しを向けたが
それから小さく溜め息を吐いて俯いた
「・・・・あたしは、冬獅郎の近くにいつまでもいていいのかな、って」
冬獅郎かっこいいからさ、モテるじゃん
でもあたしが近くにいるから彼女できないんでしょ?
と、は言うと自分の服をキュッと握った
「そんなことねぇよ、何くだらないこと言ってんだ」
「でも・・・っ」
「別に俺彼女欲しいとか思ってねぇし、変に意識すんのやめろよ」
本当は、こんなこと思ってない、彼女は欲しい
でも、お前はわかってないだろうけど、
例えお前が俺から離れようとしたって、俺が離さない
素直になれるわけがない
(本当は「だって充分可愛いんだよ」って言いたい)
(でも、そんなの恥ずかしいし、)
(俺はそこまで素直にはなれない。)
(もう少し、俺が大人になるまで待ってろよ。)