春雪の花が咲く、三月の別れの日










たくさんの「さよなら」は、消えない思い出になる

































「卒業式、終わっちゃったね」






「あぁ、そうだな」















卒業式が無事終わり、卒業生達は全員外へ出た























「この三年間、とっても楽しかったな・・・」











は卒業式が終わりに近付くにつれ、涙を流し始めた


だから今は泣きやんではいるものの、目は真っ赤になっていた











「俺も、楽しかった」





「友達になってくれて有難うね、冬獅郎」





「・・・・どうしたんだよ、急に」


















の言葉によって、また少し距離を感じた
















改まってそんなことを言わないで






もうずっと会えない、気がしてしまう







折角、今の関係を保とうとしているのに
































「と、くに意味はないんだけど・・・ぁっ、私、冬獅郎と友達になれて、よかったなって・・・」





「俺も、と友達になれて良かったと思ってるぜ」






















は、再び大粒の涙を頬に伝わせた




俺は自分の服でその涙を拭う





































「心から好きでした」




































と心の中で呟きながら




































*******




































ずっとずっと変わらないものなんて無いと理解ってる







でも、思い出す度焦がれる胸



























俺は部屋の隅に積み重ねてあったアルバムを手にし、ゆっくりと開いた

































そこには、
































一枚だけの卒業写真、満開の春雪の下


























と俺は青き日のまま、褪せない笑顔で溢れていた



























---END---

なんていいますか、不完全燃焼・・・?(聞くな)
実はこの小説は結構前から書き始めていた。
三月の初め・・・二月の末ぐらいから・・・。
でも書けなくて諦めてたんです、だからこんなんなんです。(言い訳か)
これは、獅馨哉の好きなバンドさんの歌詞を元にしました。
だから、もうちょっとちゃんと書きたかったんだけど・・・。
来年のこの季節に、またチャレンジしようかな・・・(遠ッ!)

あ、そうそう。

春雪というのは、春に降る雪のことなのですが、
この小説の中では「桜」と解釈して下さると嬉しいです。
てか、読みやすく理解しやすいかと思います。



















春雪の頃

作詞:流鬼. 作曲:大日本異端芸者の皆様



the day of blue graduation
「まだ少し寒いね」とマフラーに顔を埋めている君
僕の隣で小さく凍え思い出や将来を話す
何げなく過ごし、あたりまえのように思ってた三年間
今じゃその大事さ、儚さに気付き寂しさが滲む

君想い、君に揺れ、繋げない手を隠した
歩き慣れたはずの坂道もやがて遠くなって・・・

君は振り向き笑う 僕もふざけて真似してみた
繰り返す柔らかい空気の裏側では いつも
アルバムを開き懐かしさに浸る日がこないで欲しいと
強く願っていた
思い出の1ページじゃあまりにも寂しいと 心泣いてた

いつもより 少し長く君の背中見届けた
見飽きてた帰り道も あともう少しなんだね
君想い、君に揺れ、また想い・・・。届かなくて
数えたらきりの無い 不器用に過ぎる青き日々

ずっとっずっと変わらず ずっと このままでもいいから・・・
せめて君よ 忘れないで 記憶の欠片じゃ 悲しい

春雪の花が咲く三月の別れの日
たくさんの「さよなら」は消えない思い出になる
君想い、君に揺れ、君と歩いたこの道
「心から好きでした」 言い出せなかった事

ずっとずっと変わらないものなんて無いと理解ってる
思い出すたび 焦がれる胸
アルバム開けばそこに・・・

一枚だけの卒業写真 満開の春雪の下
君と僕は青き日のまま 褪せない笑顔で溢れてる