好きな女が出来た
そいつは俺がいつもの様に屋上で煙草を吸っていたら現れた
「未成年でしょ、吸っちゃ駄目だよ」
知り合いでもないのに、そう言って俺の口から煙草を奪ったその女は、
「コレあげる。これで口寂しくないでしょ?」
かわりにと、棒のついた飴を俺の口に突っ込んだ
「また欲しかったら、あたしに声かけてね」
自分で買ってもいいけど、と女は付け足してから背を向け屋上から出て行った
もう一度言う。
好きな女が出来た。
その女は、
年上の女
(せんぱい、飴くれ)
(あ、ホントにきたんだ)
(わりぃかよ。早くくれ)
(あー、はいはい、どうぞ)
(それから、名前教えてくれよ、せんぱい)
(・・・・・・。)
(俺は、高杉晋助。さんきゅな、)