2月14日、生まれて初めて 嬉しい と思える物を貰った
そのお返しを、今日キミに
大切な貴女へ
冬獅郎がそんな事を考えていると
丁度授業の終了を知らせるチャイムが鳴った
号令と共に生徒達は喋りだし、昼食の準備を始める
そんな中、冬獅郎は一人教室を出てある場所に向かった
「」
冬獅郎が向かった場所は生徒会室
ドアを開けると一人の少女がソファに座っていた
「あ、冬獅郎」
冬獅郎が彼女、の名を呼ぶと
は嬉しそうに微笑む
「悪い遅くなって」
「うーうん、全然、私も今来た所だから」
はそう言うと2つ持っていたお弁当の片方を冬獅郎に渡す
「それに私のクラスの方が此処に近いしさ」
冬獅郎は受け取ったお弁当を見つめながらの正面に腰を下ろした
「ちょっと?冬獅郎聞いてる?」
なんかお弁当についてるの?
は冬獅郎が自分の話を聞いていない事に気づき頬を膨らませる
「あ、いや悪い;」
別に何もついてねぇよ
冬獅郎は照れたように頭を掻きながら言った
「嬉しくて、な」
好きな奴の作った弁当食えるなんて
「な、何言ってんのよ//」
は冬獅郎の言葉を聞くとみるみる顔を赤く染めた
「なんでお前まで照れてんだよ」
「と、冬獅郎が嬉しい事言うからでしょ!」
はそっぽを向き真っ赤な顔を隠した
冬獅郎はその姿を見て笑いながらお弁当を開いた
「あ」
「??」
冬獅郎はお弁当の蓋まで開けるとある事を思い出す
「どうしたの冬獅郎」
何か忘れ物でもした?
「いや、お前に渡すもんあったの忘れてたぜ」
冬獅郎はそう言うとポケットから小さい箱を取り出す
箱は白く、それに青のリボンで綺麗にラッピングされていた
「これ、バレンタインのお返し」
「あ!そういえば今日ホワイトデーだもんねv」
ありがと、とは言って箱を冬獅郎から受け取る
「箱、開けていい?」
「お、おう//」
冬獅郎は恥ずかしいのかから視線を逸らし俯く
はその行動を不思議に思いながらもリボンを解き箱を開いた
「あ・・・・」
は箱を開くと目を丸くした
「・・・・ネックレス」
はそう呟くと箱からそっとネックレスを取り出す
「冬獅郎、これ・・・」
「まだ指輪は早いだろ?//」
冬獅郎は顔を真っ赤にしながら消えそうな声で言う
「もう少ししたら、指輪買ってやるよ」
だから今はそれで我慢しろ
そう言うと、冬獅郎は固まっているからネックレスを取る
「ぁっ」
「こっち来い、付けてやるよ」
手招きをする冬獅郎に、は大人しく従い
立ち上がり冬獅郎の隣に座る
すると冬獅郎はの後ろの髪を退け
ゆっくりとネックレスを前から後ろをへと持ってくる
そしてカチッと小さな音を立ててネックレスをとめた
「おし、完了」
「ありがと、冬獅郎」
はそう言って冬獅郎の頬にキスをする
その時、付けられたシルバーでできているハートのネックレスが
一瞬キラリと輝いた
---END---
センセー、あげたんだからホワイトデー頂戴よー