私達はいつも一緒で、これからもずっとずっと一緒だと信じてた










そう思っていたのは、あたしだけだったのかな?










晋助も銀時も、それぞれ違う方を向いていたの?

































いつから、この繋いだ手が離れてしまうってわかっていたんだろう





























FIRST




























季節は秋。



今年3年のあたし達は受験生だった。
































「ねえ、銀時は志望校ちゃんと決まってる?」




「おま、何言ってんの。当たり前だろーが」




「え、うっそ。決まってないと思ってたんだけど!じゃああたしだけじゃん!」




決まってないのかよ、この前志望校書くプリント締め切りだっただろ」

















銀時は呆れたようにあたしに冷たい視線を向けた























「仕方ないじゃん、別に将来の夢もないし」



「じゃあ簡単に銀さんのお嫁さ・・「何言ってんだ天パ。頭の中までクルクルパーか」




「あ、晋助おはよう」





















あたしは銀時の言葉を軽くスルーして視線を上に上げた






そこにはさっきまでうつ伏せになって寝ていた晋助が立っていた


ずっと左頬を下にしていたせいかほんのり左頬は赤味を帯びている。






















「銀時テメェ約束忘れてんじゃねぇだろうなァ」




「あー嘘嘘。ちょっとした冗談だろーが馬鹿。ちゃんとわかってるっつーの」
























晋助はあたしの挨拶を無視して銀時の胸倉を掴んだ


その行動にも銀時は呆れた表情を見せる



























晋助が言っている約束っていうのは、









この三人の間で恋愛感情を持つのは禁止ってもの。










あたし達は三人で一つだから、偏っちゃいけない。


だから三人ともその約束を承諾した。



































「ねえ、晋助も進路決まってるんだよね?」




「たりめーだろ」




「うーん、じゃあホントあたしだけだな〜。どうしよう」






















あたしはスッと自分の机の中から例のプリントを引き抜いた


プリントには第三希望まで書く欄がある。









そんな書けるわけないっつーの!



























「ねえ・・・二人は何処行・・「いわねーからな」「俺も」



「えーなんでよー!いいじゃん減るもんじゃないんだし!」



「自分の進路くらい自分で決めろ」

















そういって晋助はあたしの額にデコピンをかましてきた


これが結構痛い。


あたしは声にならない声をあげるとデコピンをされた場所を右手で押さえた。

























よォ、これからは自分の道歩かなきゃ駄目なんだぜ」




「・・・・・銀時、それ、どういう意味?」




「ま、そんな深い意味はねぇけど・・・」












































キーンコーンカーンコーン、















































銀時が少し寂しそうな顔をしたと同時に、鳴り響くチャイム


その音に重なりながらドアが開くと一限の授業担当の先生が入ってきた




























「やべ、俺教科書ロッカーだわ」




「はっ、お前また減点かよ」




「ね、ねえ銀時っ!」




、お前は教科書あんのかー?」






















あたしの呼びとめを無視してロッカーに走る銀時は、


もうさっき見せた寂しそうな表情はなくなっていた

















































ねえ、もしかして、何かあたしに隠してるの?